【技術コラム・入門〜初級】なぜ差動プローブが必要なのか?
■ 「普通のプローブでは測れない」場面がある
オシロスコープ測定では、多くの場合、
・シングルエンド(片側接地)プローブ
が使われます。
しかし、次のような場面では
通常のプローブでは正しく測れません。
・GNDが浮いている回路
・電源ライン間の電圧
・インバータ、モータ駆動回路
・高電圧差動信号
ここで必要になるのが
差動プローブです。
■ 差動測定とは何か?
差動測定とは、
2点間の電圧差だけを測定する方法です。
・どちらもGNDではない
・どちらも動いている
このような2点間の電圧を、
安全かつ正確に測るための手法です。
■ 通常プローブで起きる危険な問題
通常のオシロスコーププローブは、
・GNDクリップが
・オシロスコープの筐体GND
に直結しています。
そのため、
・GNDが浮いている回路
・高電圧回路
に接続すると、
・ショート
・測定器破損
・最悪の場合、感電事故
につながる危険があります。
■ 差動プローブの仕組み
差動プローブは、
・2つの入力
・内部で差分演算
を行い、
電圧差だけを出力します。
さらに多くの場合、
・高耐圧
・高い同相除去比(CMRR)
を備えており、
ノイズや共通成分を抑えた測定が可能です。
■ 差動プローブが必要な代表的な場面
差動プローブが活躍するのは次のような場面です。
・スイッチング電源の一次側
・インバータ出力
・モータ相間電圧
・CAN、LVDSなどの差動信号
・高電圧フローティング回路
これらは
差動測定が前提の世界です。
■ 「2本プローブで引き算」はダメ?
よくある誤解として、
「通常プローブを2本使って、
オシロスコープの演算機能で引き算すれば良い」
という考えがあります。
しかしこれは、
・GNDが共通
・同相ノイズが除去できない
・耐圧・安全性が確保できない
ため、
原則として推奨されません。
■ 初心者が陥りやすい誤解
・差動信号=通信だけ
・低電圧なら安全
・測れたから問題ない
実際には、
「測れているように見える」だけ
というケースが非常に多いです。
■ まとめ
差動プローブは、
・安全性を確保する
・正しい電圧差を測る
・ノイズの影響を減らす
ために不可欠な測定ツールです。
高電圧・フローティング・差動回路では、
差動プローブを使うことが「前提条件」
になります。
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