オシロスコープ 波形 見方
オシロスコープは、電気信号の波形を画面に表示し、変化のようすを視覚的に確認できる測定器です。しかし、初めて使う人にとっては「波形が表示されたけど、これが正常なのか異常なのかよく分からない」と感じることも多いでしょう。ここでは、オシロスコープの波形の基本的な見方について、やさしく解説します。
画面の構成を知ろう
オシロスコープの画面には、縦軸(Y軸)と横軸(X軸)があります。
■ 縦軸(Y軸):電圧(V)を表します
■ 横軸(X軸):時間(s)を表します
この2つの軸により、時間とともに電圧がどう変化しているかを波形として表示しています。
たとえば、1Vの信号が0.1秒ごとに繰り返していたら、1秒間に10回の波(10Hz)が表示されます。
基本の操作:Time/DivとVolt/Div
波形を見やすくするには、「1目盛りあたりの時間」と「1目盛りあたりの電圧」を調整する必要があります。
■ Time/Div(タイムパーディビジョン)
→ 横方向の時間スケール。1目盛りがどのくらいの時間かを決めます。たとえば「1ms/div」なら、1目盛りが1ミリ秒です。
■ Volt/Div(ボルトパーディビジョン)
→ 縦方向の電圧スケール。1目盛りが何ボルトかを設定します。たとえば「2V/div」なら、1目盛りごとに2V増えます。
波形が画面からはみ出している場合や、小さすぎて見えにくい場合は、これらの設定を変えて波形を適切なサイズで表示します。
波形の種類と特徴を見分けよう
波形を見るときは、まずどんな種類の波形かを判断することが大切です。以下はよくある波形の例です。
■ サイン波(正弦波)
なめらかなカーブ状の波。AC電源やオーディオ信号に多く見られます。
■ 矩形波(スクエア波)
急に上がって急に下がる、角ばった波。デジタル信号やクロック信号に使われます。
■ パルス波
一定の間隔で短い電圧変化が出る波形。トリガ信号や制御信号で使われます。
■ ノコギリ波
上がり続けて急に下がる波形。PWM制御や信号発生器のテスト信号で見られます。
波形の形状がきれいか、ゆがみがあるか、ノイズがのっていないかを観察することが重要です。
周期と周波数を読み取る
周期とは、波が1回繰り返すのにかかる時間です。波の山から次の山までの横幅(時間)を見て、周期を知ることができます。
周波数は、1秒間に何回波が繰り返されるかで、周期の逆数で求められます。オシロスコープの自動測定機能を使えば、周期や周波数をすぐに表示させることも可能です。
電圧レベルを見る
波形の縦方向の大きさを見れば、信号の電圧が分かります。たとえば、波の上と下の差(ピーク・トゥ・ピーク値)が5目盛り分で、Volt/Divが1Vであれば、その波形の振幅は5Vです。
また、「0Vライン(基準線)」がどこにあるかを意識して、信号がプラス側かマイナス側かも判断します。
トリガを調整して波形を安定させる
オシロスコープでは、トリガ(trigger)設定が波形の見やすさに大きく影響します。トリガは「この条件を満たしたときに波形を表示する」というきっかけの設定です。
たとえば、信号が上昇し始めたタイミングで波形を固定表示するように設定すれば、波形が安定して表示され、観察や測定がしやすくなります。
トリガが合っていないと、画面の波形が流れてしまい、周期の確認や正確な測定ができなくなります。
ノイズや異常の見つけ方
オシロスコープは、信号に含まれる異常やノイズも視覚的に確認できます。以下のようなポイントに注目しましょう。
■ 波形がガタついている → ノイズが混入している可能性
■ 高さがばらばら → 電圧の変動や電源不安定の疑い
■ 立ち上がりが遅い・なだらか → 回路の応答性が悪い、帯域不足
■ 波形が一瞬乱れる → 過渡現象やノイズ、通信エラーの兆候
繰り返し表示や波形ホールド機能を使って、一時的な異常も見逃さないようにしましょう。
まとめ
オシロスコープの波形の見方をマスターすることは、電子回路の理解とトラブルシュートに大きく役立ちます。画面の縦軸・横軸の意味を理解し、波形の形・周期・電圧・ノイズなどに注目することで、電気信号の“中身”が見えるようになります。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、慣れてくれば「波形を見るだけで何が起きているかがわかる」ようになります。
製品情報
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