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オシロスコープの使い方――基本操作と測定の流れ
- 2025/6/30 -

オシロスコープの使い方――基本操作と測定の流れ

オシロスコープは、電圧信号を時間軸で表示することで、電子回路の動作確認やトラブル解析に欠かせないツールです。本記事では、オシロスコープを初めて使う方向けに、使い方の基本ステップと操作のポイントを紹介します。


1. オシロスコープの基本構成を理解する

一般的なデジタル・オシロスコープは、以下のような構成で動作します:

入力端子(CH1/CH2など)にプローブを接続
信号を取り込み、デジタル変換(A/D変換)
波形を画面に表示
必要に応じて測定・保存・演算などの処理を実行

OWONのADS800AシリーズやHDSシリーズのような製品は、コンパクトながら12ビットの高分解能と多機能なUIを備え、基本から応用まで幅広い用途に対応しています。


2. 測定の基本ステップ

Step 1:プローブの準備と接続
付属の受動プローブ(例:×10設定)を使用し、CH1またはCH2の入力端子に接続します。プローブのグランドクリップは必ず測定対象のグランドに接続してください。

Step 2:測定対象信号に接続
プローブの先端を測定対象(例:電源ライン、信号ピンなど)に接触させます。この段階で画面に波形が表示され始めます。

Step 3:垂直軸(電圧)を調整
画面の波形が見やすくなるように、電圧軸(V/div)を調整します。例えば、1V/divにすると、縦1目盛が1Vになります。

Step 4:水平軸(時間軸)を調整
波形の周期や変化が見やすくなるように、時間軸(Time/div)を調整します。1ms/divなら、横1目盛が1msです。

Step 5:トリガ設定で波形を安定化
「トリガ」とは波形の開始タイミングを決める機能です。基本はエッジトリガ(立ち上がり/立ち下がり)で、基準電圧レベル(Trigger Level)を設定して波形を安定表示させます。


3. 測定結果の活用と便利機能

自動測定機能(MEASURE)
周期、周波数、最大値、RMS電圧などを自動で表示可能。OWON製品では画面右下に測定項目を一覧表示できます。

カーソル測定(CURSOR)
手動でカーソルを2点配置して、時間差や電圧差を求められます。波形上の特定位置を精密に調べるのに便利です。

FFT(周波数解析)
ノイズ成分や周波数帯域を分析する場合はFFT表示モードに切り替え。ADS800Aでは1画面内で時間波形とFFT波形を同時に観察可能。

波形保存/スクリーンショット
測定結果をUSBメモリや内蔵メモリに保存可能。画像形式(BMP/PNG)やデータ形式(CSVなど)に対応しています。


4. よくあるミスと対処法

波形が表示されない →
→ プローブの接続・スイッチ設定(×10/×1)・トリガ条件を確認してください。

波形が上下にずれる →
→ オフセットやGND位置の確認。垂直ポジションの調整で中心に戻せます。

波形がブレて安定しない →
→ トリガレベルやトリガモード(Auto/Normal)の見直しを。

波形がノイズっぽい →
→ プローブの接触状態、接地、測定環境(電源ノイズ)の影響をチェック。


5. 初心者におすすめのOWON機種

ADS800Aシリーズ
据え置き型の高性能モデル。12ビット分解能、最大帯域350MHz、5GSa/sの高速サンプリング。豊富な測定モードとインターフェースを備え、研究開発や教育に最適。

HDS200シリーズ(ハンドヘルド型)
現場保守やフィールドワーク向け。オシロ+マルチメータ機能搭載で、多用途に使えるポータブルモデル。


まとめ:基本を押さえて活用範囲を広げよう

オシロスコープの基本的な使い方は非常にシンプルですが、適切に調整しないと正確な波形は得られません。使いこなすには、まず「プローブの正しい扱い方」と「トリガ設定の理解」が重要です。

OWONのような初心者にも扱いやすいUI設計の機種を使えば、初めてでも迷うことなく波形観測ができます。測定精度を高めながら、少しずつ応用的な測定にも挑戦してみましょう。