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高分解能オシロスコープ
- 2025/6/30 -

高分解能オシロスコープ

高分解能オシロスコープとは、垂直軸の電圧分解能が従来の8ビット(256段階)よりも高く設計されたオシロスコープを指します。10ビットや12ビット、機種によっては14ビットの分解能を持つものもあり、より細かい電圧変化を測定することが可能です。

例えば、12ビットの分解能であれば2の12乗にあたる4096段階で波形をデジタル変換できます。これにより、微小な信号の変動や、ノイズの中に埋もれた細かい信号成分まで詳細に観測できます。特にアナログ回路の評価やセンサ信号の解析、電源リップルやEMIノイズの検出など、微細な信号の可視化が求められる分野において重宝されます。

高分解能のオシロスコープには、通常よりもノイズ性能に優れたアナログフロントエンド設計が施されており、信号の忠実度が高いことが特長です。また、サンプリング時の誤差も少なく、スムーズな波形表示が可能です。内部のメモリや演算処理も高性能であることが多く、波形更新レートやFFT解析においても高い精度を実現しています。

近年では、OWONやSIGLENTをはじめとするメーカーが高分解能タイプのオシロスコープを展開しており、12ビットを標準とするモデルも増えてきました。精密な計測を行う研究室や、回路設計の試作段階などでの利用が広がっています。