Volt/divとは?
オシロスコープにおける「Volt/div(ボルト・パー・ディビジョン)」とは、画面上の1目盛(ディビジョン)あたりの電圧の大きさを意味します。画面の縦軸(Y軸)において、1目盛でどれくらいの電圧を表すかを設定するのがこの項目です。
例えば、Volt/divが1Vに設定されていれば、1目盛あたり1V、5目盛で5Vを表すことになります。これは、測定対象の信号の「高さ」をどれくらいのスケールで表示するかを調整する操作にあたります。
■電圧スケールを調整する目的
Volt/divの設定を調整することにより、以下のような目的を達成できます。
・波形の振幅全体を画面内に収めたい
・微小な信号を拡大して詳細に見たい
・飽和してクリップされていないか確認したい
・複数のチャンネルで異なるスケールで波形を比較したい
観測対象の信号が大きすぎて画面からはみ出す場合にはVolt/divを大きくし、逆に信号が小さくて見えにくい場合はVolt/divを小さくして拡大表示します。
■Volt/divの単位と設定例
Volt/divの単位は **V(ボルト)・mV(ミリボルト)・µV(マイクロボルト)**などがあります。特に、微小信号を扱う場合や高分解能オシロスコープ(例:12ビット機)では、500µV/divなどの細かい設定が可能です。
例:Volt/div = 2V → 画面5目盛で±10Vの信号が表示可能
例:Volt/div = 10mV → 1目盛で10mV、画面全体で±50mV程度の表示
■チャンネルごとのVolt/div設定
多くのデジタル・オシロスコープでは、各チャンネルごとに個別のVolt/divを設定できます。たとえば、CH1は5V/div、CH2は100mV/divといった具合に、それぞれの信号のレベルに応じて最適なスケールで表示が可能です。
この機能により、大電圧と小電圧を同時に観測する場合でも、視認性を損なうことなく比較ができます。
■プローブ倍率との関係
プローブを使用する場合、**プローブの減衰比(1:1、10:1、100:1など)**に応じた設定をオシロスコープ側でも正しく反映させる必要があります。たとえば、10:1のプローブを使用しているのに、1:1のまま表示していると、実際の電圧より1/10で表示されてしまいます。
OWON製品の多くでは、自動プローブ検出機能が搭載されており、正しい倍率に自動で設定されるため、こうしたミスを防ぎやすくなっています。
■電圧スケールの変更手順(OWONの一般的な機種)
-
CH1やCH2などのチャンネルボタンを選択
-
前面のノブ(ボリューム)でVolt/divを回して調整
-
画面のスケール表示を確認しながら、適切な値に設定
-
必要に応じてプローブ倍率の確認と設定を行う
OWONのタブレット型オシロスコープでは、タッチパネルでVolt/divの設定が直感的に操作できるモデルもあります。
■注意点とコツ
・波形が上下に振り切れて見えない場合はVolt/divを上げる(拡大→縮小)
・波形が小さすぎてノイズに埋もれる場合はVolt/divを下げる(縮小→拡大)
・オートスケール機能を使うと、自動で最適なVolt/divを設定可能
・複数チャンネルを使うときは、各CHのスケールが異なる点に注意
■まとめ
Volt/divの設定は、オシロスコープの波形観測で最も基本かつ重要な操作です。測定信号に合わせて適切にスケーリングすることで、波形の詳細な変化を正確に把握することができます。
OWON製オシロスコープは、Volt/div設定の自由度や視認性の高い表示機能により、初心者からエンジニアまで幅広いユーザーにとって扱いやすい設計になっています。信号を正しく捉えるためにも、Volt/divの使いこなしは欠かせません。
製品情報
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