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ファンクションジェネレータの使い方|接続方法と注意点を解説
- 2025/7/2 -

ファンクションジェネレータの使い方|接続方法と注意点を解説

ファンクションジェネレータは、電子回路の評価や動作確認に欠かせない信号源です。正弦波や方形波など、さまざまな波形を任意の周波数・電圧で出力でき、教育現場から開発現場まで幅広く活用されています。

本記事では、ファンクションジェネレータの基本的な使い方、正しい接続方法、使用時の注意点について、初心者にもわかりやすく解説します。


1.ファンクションジェネレータの基本的な役割

ファンクションジェネレータは、一定のパターンを持つ電気信号を出力し、それを回路やデバイスに入力することで、その動作や応答を確認する装置です。出力できる代表的な波形は以下の通りです。

・正弦波(Sine)
・方形波(Square)
・三角波(Triangle)
・パルス波(Pulse)
・ランプ波(Ramp)
・ノイズ(White Noiseなど)
・任意波形(Arbitrary Waveform)※対応モデルのみ

これらの波形は、周波数、振幅(電圧)、オフセット(基準電圧)などを任意に設定できます。スイープ、変調、バースト出力といった応用機能を備えたモデルもあり、多様な用途に対応可能です。


2.ファンクションジェネレータの接続方法

ファンクションジェネレータを正しく使うには、接続方法を理解し、適切な測定機器と組み合わせることが重要です。以下に、基本的な接続手順を説明します。

1.出力端子の確認
ファンクションジェネレータには「CH1」や「CH2」などの出力端子があり、通常BNCコネクタで構成されています。出力インピーダンスは通常50Ωです。

2.出力端子と測定対象を接続
出力端子と、入力を与えたい対象(回路や装置)を同軸ケーブルまたはBNC-クリップケーブルなどで接続します。入力が高インピーダンス(1MΩなど)の場合、電圧が仕様よりも高く出ることがあるため注意が必要です。

3.オシロスコープへの接続(推奨)
出力した波形を確認するために、オシロスコープを併用するのが基本です。ファンクションジェネレータからの信号を分岐して、片方を回路へ、もう片方をオシロスコープに接続するか、装置の出力側を観測します。

4.出力波形を確認
接続後は、実際に波形を確認して、周波数や振幅が設定通りかどうかをチェックします。必要に応じてスケールを調整しましょう。


3.設定項目と使い方の流れ

ファンクションジェネレータの使い方は、以下の流れで進めるのが一般的です。

1.波形の選択
操作パネルまたは画面メニューから、出力したい波形を選択します(例:正弦波、方形波など)。

2.周波数の設定
信号の周期を決定する周波数を入力します。kHzやMHz単位で直接指定できるモデルも多くあります。

3.振幅(Amplitude)の設定
出力信号のピークtoピーク電圧(Vpp)を設定します。負荷インピーダンスによって実際の出力電圧が変わる場合があるため注意します。

4.オフセット(Offset)の設定
信号の基準電圧を設定します。たとえば0Vを基準に±2.5Vで出力する場合は、オフセット0V、振幅5Vppになります。

5.出力ON
すべての設定が完了したら、出力をONにして信号を生成します。オシロスコープで波形を確認しながら、必要に応じて微調整を行います。


4.使用時の注意点とトラブル防止のコツ

ファンクションジェネレータを安全かつ正確に使うためには、以下の点に注意してください。

1.短絡を避ける
出力端子を通電中にショート(短絡)すると、機器を損傷する可能性があります。ケーブルの抜き差しは、必ず出力OFFの状態で行ってください。

2.入力デバイスの定格電圧を超えない
測定対象の回路や機器が耐えられる最大電圧を確認し、それを超えない範囲で振幅とオフセットを設定する必要があります。

3.グラウンドの取り扱いに注意
ファンクションジェネレータとオシロスコープのグラウンドが共通であることが多く、接続方法によってはグラウンドループが発生して誤動作やノイズの原因となる場合があります。極力、同一基準で接続するか、差動プローブなどで対処します。

4.高周波使用時の配線に配慮する
数MHz以上の高周波信号を扱う際は、リード線やプローブがアンテナのように働いてしまうことがあります。配線を短く、必要最小限にとどめることで波形の劣化を防げます。

5.初期設定のまま使用しない
製品によっては出荷時に特定の波形や振幅で設定されている場合があります。使用前には必ず出力設定を確認してください。


まとめ|安全かつ正確な信号出力のために

ファンクションジェネレータは、正しく使えば電子回路のテストや評価を非常に効率的に進められる便利なツールです。しかし、接続や設定を誤ると、回路を破損させてしまうリスクもあるため、基本操作と注意点を押さえておくことが大切です。

OWONのファンクションジェネレータは、直感的な操作性と高機能性を兼ね備えており、初心者にも扱いやすい設計となっています。正しい接続方法と設定を理解して、安全で正確な信号出力を行いましょう。