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オシロスコープ つなぎ 方
- 2025/7/2 -

■オシロスコープを使う前に準備すること

オシロスコープで信号を観測するには、まず対象となる回路や装置と正しく接続する必要があります。間違ったつなぎ方をすると、波形が表示されなかったり、測定精度が落ちたり、最悪の場合は機器の故障にもつながるため、接続手順を正しく理解しておくことが重要です。

■プローブの確認と接続

一般的なオシロスコープには、パッシブプローブが付属しています。プローブには「先端の測定ピン」と「グラウンドリード(アース線)」があり、両方を正しく接続することで正確な信号測定ができます。

プローブのBNCコネクタを本体のチャンネル(CH)端子にしっかりと押し込んで接続します。カチッと音がするまで回転させるとロックされます。

■測定対象へのつなぎ方

測定したいポイントにプローブの先端を当てるだけでは不十分です。必ずグラウンドリードも回路のGND(接地)に接続する必要があります。グラウンドを正しく接続しないと、波形が不安定になったり、ノイズが多く混入したりします。

注意点として、異なるグラウンド間に電位差があると、プローブ経由で電流が流れてしまう可能性があります。特に電源装置や別の機器と接続されている回路では、GNDの共通性を確認してください。

■複数チャンネルを使う場合

オシロスコープには2チャンネルや4チャンネルなど複数の入力端子がある場合があります。各チャンネルにそれぞれのプローブを接続し、異なる信号を同時に観測することができます。

ただし、複数のプローブを使うときも、グラウンドリードを共通のGNDに接続することが基本です。複数の場所でグラウンドを分けて取ると、測定結果に誤差が生じたり、機器に負荷がかかることがあります。

■プローブの補償調整

初めてプローブを接続したときには、「プローブ補償(Compensation)」の調整が必要です。これはプローブとオシロスコープ本体の周波数特性を一致させるための調整で、多くのオシロスコープには「1kHz方形波出力端子」があり、ここにプローブを接続して波形を見ながら調整ドライバーで波形の角を正しく整えます。

この補償が取れていないと、表示される波形が歪んでしまい、正確な観測ができません。

■接続時の安全対策

高電圧を扱う回路を測定する場合は、必ず適切なプローブ(高電圧対応や差動プローブなど)を使ってください。市販の一般的なパッシブプローブには定格電圧があり、それを超える信号を測定すると故障や感電の危険があります。

また、接続前には必ず測定対象の電圧が安全な範囲であることを確認し、必要であれば絶縁型プローブやアイソレーション機能付きの装置を利用してください。

■正しい接続が安定測定の第一歩

オシロスコープの性能を最大限に活かすには、正しいつなぎ方が基本です。プローブとGNDの配置、補償調整、チャンネルの使い分けなどを理解することで、正確で信頼性の高い測定が可能になります。

特に初心者の方は、まず簡単な回路で練習しながら、信号が安定して表示されるまでのつなぎ方や操作感を体感してみるとよいでしょう。