OWON XDS3000シリーズ 4チャンネル デジタル・オシロスコープの特長と活用法
OWONの「XDS3000シリーズ」は、最大300MHz帯域・4チャンネル入力・12ビット分解能を特徴とした高性能なデジタル・オシロスコープです。開発・評価・検証のあらゆるシーンに対応できる性能を備えながら、ユーザーフレンドリーな操作性も実現しており、教育機関からエンジニアリング現場まで幅広く利用されています。本記事では、XDS3000シリーズの機能・特長・操作性・活用例について詳しく解説します。
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高精度12ビットADC搭載で微細な波形も忠実に再現
XDS3000シリーズ最大の特長のひとつが、「12ビットADC(アナログ・デジタル変換器)」の搭載です。一般的な8ビットオシロスコープと比較して分解能が16倍に向上しており、微小信号の観測やノイズの検出、わずかな信号変化の測定が可能になります。
例えば、電源回路のリップル電圧やオペアンプ出力の微小な波形変化など、これまで視認が難しかった現象を可視化できる点が、高精度計測を求めるユーザーにとって大きな魅力です。
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最大300MHzの帯域幅と4チャンネル入力
XDS3000シリーズには、100MHz、200MHz、300MHzの帯域モデルが用意されており、用途に応じたモデル選定が可能です。サンプリングレートは最大1GS/s、メモリ長は最大40Mポイント(チャンネル共有)で、長時間波形の詳細解析にも対応しています。
また、4チャンネルすべてが独立入力であるため、複数信号のタイミング比較や複合信号系の同時観測が可能です。デジタル信号とアナログ信号の相関確認などにも適しています。
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直感的な操作を可能にするタッチパネル搭載
本シリーズには、静電容量方式のタッチパネルが搭載されており、フロントパネルのボタンやノブ操作に加え、タッチ操作による直感的な操作も可能です。測定条件の変更やカーソルの移動、表示範囲の調整などがスムーズに行え、測定効率を大幅に向上させます。
また、インターフェースが日本語対応しているため、初めてオシロスコープを扱うユーザーでも安心して使用できます。
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多彩なトリガ機能で精密な波形捕捉を実現
XDS3000シリーズには、一般的なエッジトリガに加えて、以下のような複雑なトリガ機能も搭載されています。
・パルス幅トリガ
・スロープトリガ
・ビデオトリガ(NTSC、PALなど)
・欠落トリガ
・タイムアウトトリガ
・オーバータイムトリガ
・シリアルバストリガ(I2C、SPI、UARTなど)
これにより、ノイズや異常信号、特定の条件を満たす信号だけを狙って安定的に観測することが可能になります。設計検証やデバッグ用途において非常に有用です。
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FFT解析や波形演算で多次元の信号解析が可能
FFT(高速フーリエ変換)機能を用いれば、時間波形を周波数領域に変換して、ノイズ成分や帯域特性を視覚的に確認できます。表示形式はdBVまたはVrmsから選択可能で、スペクトラムアナライザ的な活用もできます。
さらに、MATH波形として以下の演算機能をサポートしています:
・CH1 + CH2(加算)
・CH1 − CH2(減算)
・CH1 × CH2(乗算)
・CH1 ÷ CH2(除算)
・FFT(スペクトル分析)
信号間の比較や特性抽出、ノイズ差分の確認など、演算処理によって高度な波形解析が実現できます。
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USB・LAN・VGA出力など多彩なインターフェース
XDS3000シリーズは、USBデバイスポートおよびホストポート、LANポート、VGA出力端子などを備えています。USBメモリによる波形保存はもちろん、LAN経由でのリモート操作、外部モニタへの出力も可能で、複数人での波形確認や測定環境の自動化にも対応できます。
PC用の制御ソフトウェアも提供されており、SCPIコマンドによる外部制御も可能です。PythonやLabVIEWなどの自動試験環境にも統合しやすくなっています。
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保存・記録機能も充実
本機は、以下の形式で波形保存が可能です。
・CSV形式(数値データ)
・BIN形式(バイナリ波形)
・BMP / PNG形式(スクリーンショット)
保存したデータはPCに移動して再解析でき、技術資料や報告書に直接使用することも可能です。また、オートセーブ機能や設定の保存機能もあるため、再測定や条件再現性にも優れています。
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自動測定機能で作業効率を大幅に改善
自動測定モードでは、以下のような物理量をワンクリックで測定・表示できます。
・周波数、周期
・最大値、最小値、平均値
・RMS、ピーク・ツー・ピーク
・立ち上がり時間、立ち下がり時間
・パルス幅、デューティ比
・オーバーシュート、アンダーシュート
最大20項目以上を同時表示することができ、画面の一部に常時数値情報を固定表示することも可能です。
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さまざまな活用シーンに対応
XDS3000シリーズは、以下のような多様な用途で活躍します:
・スイッチング電源の立ち上がり解析
・アナログ回路のリップル評価
・マイコン周辺回路のデバッグ
・モーター制御のパルス波形監視
・シリアル通信のデコードと解析
・EMC対策のノイズ測定
高精度測定と操作性のバランスに優れており、1台で多くの役割を担うことができます。
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まとめ
OWON XDS3000シリーズは、12ビットADCによる高分解能測定、最大300MHzの帯域、4チャンネル入力、タッチパネルによる直感操作、FFT・演算・豊富なトリガ機能と、プロフェッショナルな計測ニーズに応える多彩な機能を備えたデジタル・オシロスコープです。
コストパフォーマンスにも優れており、これから高精度測定を導入したいエンジニアや教育現場にとって、非常に有力な選択肢となるでしょう。
製品情報
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