オシロスコープの帯域幅とは
帯域幅とは、オシロスコープが正しく測定できる周波数の上限を示す指標であり、信号が持つ高い周波数成分をどこまで忠実に再現できるかを決める基本性能である。帯域幅が不足すると、波形が丸く見える、立ち上がりが遅く表示される、振幅が小さく観測されるなど、本来の信号とは異なる形状となり、計測結果の精度が低下する。
立ち上がり時間(tr:rise time)とは
立ち上がり時間は、波形が低レベルの10%から高レベルの90%まで上昇するのに要する時間を指し、信号の鋭さや高速性を表す重要な値である。立ち上がり時間と帯域幅にはおおよそ BW ≈ 0.35 / tr の関係があり、立ち上がりが速い信号ほど広い帯域幅が必要となる。
10 MHz の信号を観測する際に必要な帯域幅
10 MHz の信号に必要な帯域幅は、信号の種類によって大きく変わる。サイン波のように高調波成分の少ない波形であれば、信号周波数のおよそ二〜三倍の帯域幅があれば十分である。一方、矩形波やクロック信号などのデジタル信号は、鋭い立ち上がりにより高い周波数成分を多く含むため、信号周波数の五〜十倍、あるいは立ち上がり時間から算出した帯域幅が必要となる。
サイン波(正弦波)の例
10 MHz の正弦波を観測する場合には、20〜30 MHz 程度の帯域幅があれば信号を正しく再現できる。これは、正弦波には基本周波数以外の成分がほとんど存在しないためである。
デジタル信号の例
10 MHz のクロック信号などを観測する場合には、少なくとも 100〜200 MHz 程度の帯域幅が必要となる。これは、矩形波が多数の高調波を含むため、帯域幅が不足すると波形の立ち上がりが遅く見えたり、振幅が低下したりするためである。例えば、立ち上がり時間が 3 ns の信号であれば、BW ≈ 0.35 / 3 ns から約 116 MHz の帯域幅が必要となる。
製品情報
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