【入門】バッテリー容量測定の手順(電子負荷を使った方法)
バッテリーの性能評価では、実際にどれだけのエネルギーを取り出せるかを確認する「容量測定」が重要である。電子負荷を使用すると、バッテリーを一定条件で放電し、容量(mAh / Wh)や内部抵抗を正確に測定できる。
容量測定の目的
バッテリー容量測定は次のような目的で行われる。
・実際の使用時にどれだけ動作するかを確認する
・寿命による劣化状態を把握する
・新品・ロット差による性能比較
・製品検査(QC)
メーカーの公称値が正しいかを検証するためにも重要な測定となる。
電子負荷を使った容量測定の基本原理
電子負荷で放電させながら、以下の式で容量を算出する。
容量(mAh)
= 放電電流(mA) × 放電時間(h)
エネルギー(Wh)
= 電圧(V) × 電流(A) × 時間(h)
電子負荷は、放電電流を一定に保つため、正確な測定が可能である。
容量測定の手順
1. バッテリーを満充電にする
メーカーが推奨する条件(電圧・電流)で充電する。
2. 電子負荷を CC(定電流)モードに設定する
容量測定は基本的に定電流放電で行う。
3. 放電電流を設定する
一般的には以下を基準とする。
・0.2C(容量の20%)
・0.5C(容量の50%)
用途に応じて、より高い電流でのテストも可能。
4. 終止電圧を設定する
リチウムイオン電池の例:2.5V〜3.0V
規定値より低く設定すると劣化が進むため注意が必要。
5. 放電を開始する
電子負荷が電流を一定に維持しながら放電する。
6. 終止電圧に達したら自動停止
多くの電子負荷は自動停止機能を持つ。
7. 測定結果を確認する
・放電時間
・放電電流
・平均電圧
・容量(mAh)
・エネルギー(Wh)
これらが電子負荷に記録される。
内部抵抗(IR)の測定
電子負荷には、内部抵抗(インピーダンス)を測る機能を持つモデルも多い。
内部抵抗が大きいほど、劣化したバッテリーであることを示す。
測定方式
・パルス電流を加え、その電圧変化から算出
・高精度モデルではミリオーム単位まで測定可能
内部抵抗は容量と並ぶ重要な劣化指標となる。
測定時の注意点
・バッテリーに合った放電電流を選ぶ
・終止電圧を必ず守る
・温度上昇に注意し、可燃物を近づけない
・リチウム系は過放電により破損の危険
安全性を確保するため、測定中は観察可能な環境で行うことが望ましい。
まとめ
電子負荷を使うことで、バッテリーを一定条件で放電し、容量(mAh・Wh)や内部抵抗を正確に評価できる。定電流放電(CCモード)と終止電圧設定が基本であり、バッテリー評価・品質管理・劣化診断に欠かせない手法となっている。
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