English  中文站
【入門】ショートモード(短絡試験)の基礎
- 2025/12/1 -

【入門】ショートモード(短絡試験)の基礎

ショートモード(Short Mode)は、電子負荷を使って電源の出力を意図的に短絡(ショート)させる試験モードである。電源の安全性や保護機能を確認するために非常に重要な試験で、OCP(過電流保護)や短絡保護の動作を確認する際に使われる。


ショートモードとは何をするモードか

ショートモードは、電子負荷内部のスイッチ(MOSFETなど)を使って、
電源の+と−をほぼゼロΩに近い状態でつなぐ動作をする。

つまり
「もし電源を短絡したらどう動くか?」
を安全に再現するためのモード。


なぜ短絡試験が必要なのか

電源は実際の使用中に次のような状況が発生することがある。

・ケーブルが破損して短絡
・コネクタが誤って接触
・モーターや負荷が異常動作

こうした異常を想定して、電源には必ず次のような保護が必要になる。

・過電流保護(OCP)
・短絡保護(SCP)
・ヒューズ動作
・電圧の自動停止

電子負荷を使うことで、これらの保護が正しく働くかを確認できる。


ショートモードで確認できること

ショートモードを使うと次の点を評価できる。

・電源が即座に電流を遮断するか
・短絡時の最大電流がどれくらいか
・電源が損傷せずに復帰できるか
・OCPの動作点(しきい値)が適切か
・短絡状態から復帰する条件(自動復帰/電源再投入)

保護設計が適切でないと、電源が故障したり火災リスクが生じる。


ショートモードの使い方(基本手順)

1. 電源と電子負荷を接続する(十分な太さのケーブル)
短絡時は大電流が瞬間的に流れるため、細いケーブルは危険。

2. 電子負荷をショートモードに設定する

3. 最初は低電圧・低出力で試す
いきなりフル電圧で行うのは危険。

4. 電源の出力をオンにし、ショート動作を実行
電子負荷側で短絡を発生させる。

5. 電源の動作を確認する
・電圧が落ちたか
・電流が守られたか
・保護が発動したか


ショート試験の注意点

・電源の最大電流を必ず確認する
・ケーブルは太く短くする(発熱防止)
・電子負荷の電流定格を超えないようにする
・短絡時間を長くしすぎない
・バッテリーの短絡試験は非常に危険(別の装置が必要)

特にバッテリー短絡は高リスクのため、電子負荷のショートモードでは行わない。


まとめ

ショートモードは、電子負荷を使って電源を安全に短絡させ、OCPや短絡保護の動作を確認するための重要な機能である。電源の安全性・品質・信頼性の評価に欠かせず、適切な手順と安全対策が求められる。