定電流モードとは?仕組みと使い方のコツ
定電流モード(CCモード)とは、電子負荷の最も基本的で重要な動作モードの一つです。
設定した電流値を常に一定に保ち、入力電圧が変動しても吸い込む電流を維持します。
この特性により、電源の安定性評価や過電流保護(OCP)試験、バッテリの放電試験など、さまざまな用途に使用されています。
電子負荷の内部にはMOSFETなどのパワーデバイスが組み込まれています。
制御回路がリアルタイムで入力電圧を監視し、フィードバック制御を行うことで、常に設定された電流を維持します。
たとえば、電圧が下がっても、MOSFETの動作を変化させて電流を一定に保ちます。これが「定電流制御」の基本的な動きです。
定電流モードを使うと、電源装置の電圧安定性(レギュレーション)を簡単に評価できます。
たとえば、電源に0A〜最大定格まで段階的に電流を流し、出力電圧がどの程度変動するかを測定します。
変動が小さいほど、電源の品質は高いといえます。
また、過電流保護(OCP)試験にも定電流モードが利用されます。
電流を徐々に増やしていき、電源が保護動作に入る電流値を確認することで、保護機能が正常に動作しているかを確認できます。
電子負荷を使うことで、このような試験を精密かつ安全に実施できます。
定電流モードの設定では、試験対象の定格電流を超えない範囲で値を入力することが重要です。
特に低電圧・高電流の電源では、配線抵抗による電圧降下も考慮する必要があります。
OWONのOEL15/30シリーズは、リモートセンス機能に対応しており、負荷端子間の電圧を直接補正できます。これにより、正確な定電流制御が可能です。
OEL15/30シリーズは、最大電流30A・最大電力150W/300Wの範囲で高精度制御が可能で、教育機関から開発現場まで幅広く使われています。
設定はシンプルで、フロントパネルまたはPCソフトウェアから電流値を入力するだけで、瞬時に安定した定電流モード動作を開始します。
また、応答速度が速いため、電流変化を伴うトランジェント試験にも対応できます。
定電流モードは電子負荷の基本機能でありながら、応用範囲が非常に広いモードです。
電源やバッテリの特性を評価する際には、まずこのCCモードの仕組みと設定を理解することが、計測の第一歩といえるでしょう。
🌐 電子負荷・電源試験シリーズ(全8回)目次
第1回: 電子負荷を使った電源試験の基本ステップ
└ 電子負荷の役割と原理、定電流・定電圧試験の進め方、安全な手順を解説。
第2回: 電源レギュレーションとは?安定性評価の考え方
└ 負荷変化・入力変化による電圧変動を評価し、安定性を確認する基本概念。
第3回: トランジェント試験(過渡応答試験)の目的と測定の流れ
└ 負荷急変時の電圧応答を解析し、電源制御の応答性を理解する試験手法。
第4回: 放電試験でわかるバッテリの内部抵抗
└ 放電による電圧変化から内部抵抗を推定し、バッテリの劣化や安全性を評価。
第5回: 電源試験の自動化が進む理由
└ 測定の再現性・安全性・効率を高める自動化の意義と実施上の注意点。
第6回: 実験室で使いやすい直流電源の選び方
└ 教育・研究・評価現場に適した電源選定のポイントと安全運用の基本。
第7回: 計測器を安全に使うための接続・アースの基本
└ 保護接地・信号接地の違い、誤接続防止、静電気対策までを体系的に整理。
第8回: 教育現場で学ぶエネルギー変換の実験テーマ
└ 電気エネルギーの変換原理を安全に学ぶ実験テーマと教育的意義を紹介。
製品情報
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