信号発生器 入門ガイド 第2回「正弦波・方形波・パルス波などの用途と設定」
信号発生器では、目的に応じてさまざまな波形を選んで出力することができます。第2回では、基本波形である「正弦波」「方形波」「パルス波」の特徴と、代表的な用途や設定のポイントについて解説します。
正弦波(Sine Wave)
■ 最も基本的で純粋な周波数成分のみを含む波形
■ 周波数応答測定、フィルタの特性評価、アンプの線形性チェックなどに使用される
■ RF信号の模擬、音響・振動試験にも利用される
■ 出力レベルと周波数の設定が中心となり、ひずみ(THD)が小さいことが重要
■ 必要に応じてスイープ機能(周波数を自動で変化させる)を併用する
方形波(Square Wave)
■ 立ち上がりと立ち下がりが鋭く、ON/OFFが明確な波形
■ デジタル回路のクロック信号やスイッチング特性の確認に適している
■ 立ち上がり時間やデューティ比、周波数、振幅の設定が可能な機種が多い
■ ハーモニクスを多く含むため、波形の歪みやリップルの観察にも使われる
■ 出力する際には、接続機器の帯域と整合させることが重要
パルス波(Pulse Wave)
■ 方形波に似ているが、デューティ比を極端に狭くして短いON時間だけ出力する
■ タイミング制御や応答時間測定、入力閾値の確認などに活用される
■ パルス幅、極性、リピート周期、立ち上がり/立ち下がり時間を細かく調整可能
■ 一発だけ出力する「シングルパルスモード」を備えた機種もある
■ 測定対象の応答性を確認する用途では、ノイズを避けるため信号品質に注意する
波形設定時の一般的な注意点
■ 出力電圧(VppまたはVrms)が測定対象の定格を超えないように設定する
■ 出力インピーダンスと負荷の整合(通常50Ω)が取れているか確認する
■ 高周波ではケーブル損失や反射も考慮し、できるだけ短いケーブルで接続する
■ 波形の立ち上がり時間や歪みを観察するには、オシロスコープとの併用が効果的
まとめ
正弦波・方形波・パルス波はそれぞれ異なる特徴を持ち、用途に応じた設定が求められます。基本波形の理解と適切な使い分けが、測定の精度と効率を大きく左右します。次回は「周波数スイープと変調機能の基礎」について解説します。
■ 「信号発生器 入門ガイド」シリーズ
ファンクションジェネレータや任意波形発生器の基本と応用を解説。
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