信号発生器 入門ガイド 第4回「任意波形の作成と活用事例」
任意波形発生器(AWG:Arbitrary Waveform Generator)は、ユーザーが自由に定義した波形を出力できる高機能な信号発生器です。第4回では、任意波形の作成方法や、実際の活用事例について紹介します。
任意波形とは
■ あらかじめ決められた正弦波や方形波に加え、任意の形状の波形を自由に定義できる
■ 波形は多数のサンプル点(データポイント)として構成され、時間軸に沿って再生される
■ 信号の繰り返し周期、振幅、オフセットも一般波形と同様に設定可能
■ 通常はPCソフトウェアまたは本体画面から波形を編集・生成する
任意波形の作成方法
■ 波形編集ソフトを使って、サイン波とノイズを合成した信号を作るなど自由度が高い
■ CSV形式やテキストファイルで数値データを作成し、USBやLAN経由でAWGに転送可能
■ オシロスコープで取得した波形データを読み込み、再現波形として出力することも可能(波形クローン)
■ 一部モデルでは、本体上で簡易的に「描く」感覚で波形を作成できる機能もある
任意波形の活用事例
■ センサ出力の模擬
・ 温度センサや加速度センサの実測データを再現し、システム検証や誤動作検出に活用される
・ 実際の現象を模したアナログ入力により、開発初期段階での動作確認が可能になる
■ 通信信号の再生
・ デジタル信号にノイズや歪みを加えたパターンを出力し、耐ノイズ性の検証に使用
・ UARTやCANのプロトコル波形を模倣した波形を用いて、受信系の動作評価が行われる
■ 医療・音響分野での応用
・ 心電図や脳波など、生体信号を模擬して測定器やシステムの評価に活用
・ オーディオ信号の再現によるフィルタ回路やアンプの特性評価も実施されている
任意波形使用時の注意点
■ サンプル数やサンプリングレートの制約によって波形の滑らかさや再現性が変化する
■ 波形メモリの容量によって、複雑な波形の長時間再生が制限される場合がある
■ 出力帯域やリニアリティも使用モデルによって大きく異なるため、必要な性能を事前に確認することが重要
まとめ
任意波形機能は、特定用途や応用研究などにおいて非常に有用です。ユーザー定義の信号を自在に再現することで、より実用的な評価環境を構築できます。次回は「オシロスコープとの連携測定」について解説します。
■ 「信号発生器 入門ガイド」シリーズ
ファンクションジェネレータや任意波形発生器の基本と応用を解説。
製品情報
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