English  中文站
【入門】電子負荷の内部構造(MOSFET動作の超基礎)
- 2025/12/1 -

【入門】電子負荷の内部構造(MOSFET動作の超基礎)

電子負荷の内部では、主に MOSFET(パワートランジスタ) が使われており、これが負荷としての“電流を吸い込む動作”をつくり出している。ここでは難しい式を使わず、イメージで理解できるように解説する。


電子負荷の内部はどうなっている?

電子負荷の中には、次の3つが中心となって動いている。

・MOSFET(電流を調整するメイン素子)
・制御回路(設定電流を作り出す頭脳)
・放熱機構(ヒートシンクとファン)

この3つが協力して、電流・電力を吸い込む。


MOSFETが“人工的な抵抗”になる仕組み

MOSFETは、本来スイッチのようにオン・オフする半導体だが、電子負荷では
「スイッチの中間の状態を細かく調整する」
ことで負荷として動作させている。

イメージ
・開くほど電流が多く流れる
・閉じるほど電流が少なくなる

電子負荷はこのMOSFETを自由自在に動かし、
電流・抵抗・電力をコントロールしている。


定電流(CC)モードの仕組み(超簡単)

  1. ユーザーが「2A」と設定する

  2. 電子負荷の制御回路が「2AになるようMOSFETを調整」

  3. MOSFETが電源からちょうど2Aを吸い込むように動作

  4. 放熱機構が発熱を処理する

MOSFETを“蛇口のように開いたり閉じたり”して、電流を一定に保つ。


なぜ電子負荷は発熱するのか?

電源から吸い込んだエネルギーは、電子負荷内部でほぼそのままになる。

電力(W)= 電圧 × 電流


20V × 5A = 100W
→ 100Wのヒーターが中にあるのと同じ

そのため電子負荷には
・大型ヒートシンク
・強力な冷却ファン
が搭載されている。


制御回路が行っていること

制御回路は、次のような動きをしている。

・設定値と現在値を比較
・足りなければMOSFETを開き、増えすぎれば閉じる
・常に一定の電流/抵抗/電力になるよう調整

いわば電子負荷の頭脳であり、
高速・高精度でMOSFETを制御している。


内部構造を理解するメリット

内部の仕組みを理解すると、電子負荷の特徴を理解しやすくなる。

・発熱が大きい → 冷却が重要
・MOSFETの性能が → 応答速度(スルーレート)に影響
・制御回路の性能が → CC/CV/CR/CPの安定性に関係
・安全保護(OCP/OPP/OTP)が重要

製品選定時にも役立つ知識になる。


まとめ

電子負荷は、MOSFETを使って電流を吸い込み、設定値に合わせて制御する装置である。内部で大きな電力が熱に変わるため、冷却と保護回路が欠かせない。基本構造を理解することで、電子負荷の動作や特性をより深く理解できる。

もっと用語集