【陸特3級・無線工学・電気回路】まとめ
本章では、直流回路における基本的な電気回路素子と、その性質について学ぶ。
オームの法則を基礎として、電力、抵抗、コンデンサ、コイルの働きを理解することが重要である。
オームの法則は、電圧・電流・抵抗の関係を示す基本法則であり、
E = R I を中心に、すべての計算問題の基礎となる。
直流の電力は、電圧と電流の積で表され、
P = E I
として求められる。
オームの法則と組み合わせることで、
P = I² R、P = E² / R
の形でも表される。
抵抗の直列接続では、回路全体の抵抗値は各抵抗の和となり、
電流はすべての抵抗で等しく、電圧は抵抗値に比例して分配される。
抵抗の並列接続では、各抵抗に加わる電圧は等しく、
合成抵抗は各抵抗より小さくなる。
コンデンサは電気を蓄える素子であり、直流を通さず、交流を通す性質をもつ。
直列接続では合成容量は小さくなり、並列接続では合成容量は大きくなる。
コイルは電流の変化を妨げる性質をもち、これを自己誘導作用という。
直流では最終的に導線のように振る舞い、交流では周波数が高いほど電流を通しにくくなる。
これらの基本特性を正しく理解することで、
陸上特殊無線技士3級における電気回路分野の問題は、確実に得点できる。
■計算問題演習
【問題1】オームの法則
12V の電源に 6Ω の抵抗を接続した。流れる電流を求めよ。
【解】
I = E / R = 12 / 6 = 2A
【問題2】オームの法則
3A の電流が流れている回路で、抵抗が 4Ω のときの電圧を求めよ。
【解】
E = R I = 4 × 3 = 12V
【問題3】直流の電力
10V の電源に 5Ω の抵抗を接続したときの消費電力を求めよ。
【解】
I = E / R = 10 / 5 = 2A
P = E I = 10 × 2 = 20W
【問題4】抵抗の直列接続
10Ω と 20Ω の抵抗を直列に接続したときの合成抵抗を求めよ。
【解】
R = 10 + 20 = 30Ω
【問題5】抵抗の並列接続
10Ω と 20Ω の抵抗を並列に接続したときの合成抵抗を求めよ。
【解】
R = (10 × 20) / (10 + 20) = 200 / 30 ≒ 6.7Ω
【問題6】コンデンサの直列接続
10μF と 10μF のコンデンサを直列に接続したときの合成静電容量を求めよ。
【解】
C = (10 × 10) / (10 + 10) = 100 / 20 = 5μF
【問題7】コンデンサの並列接続
10μF と 20μF のコンデンサを並列に接続したときの合成静電容量を求めよ。
【解】
C = 10 + 20 = 30μF
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