トリガー設定とは?|オシロスコープで安定した波形観測を実現する基本機能
トリガー設定とは、オシロスコープにおいて波形を安定して表示させるための信号条件を指定する機能です。適切なトリガーを設定することで、繰り返し信号の波形を画面上に静止表示でき、正確な観測と解析が可能になります。
■ トリガーの役割
オシロスコープは連続的に入力信号を観測していますが、**いつ波形を描き始めるか(トリガーポイント)**を指定しないと、画面上の波形が流れて見えてしまいます。
そこで、特定の条件(電圧、立ち上がり/立ち下がりなど)で信号を検出し、その瞬間から表示を開始するのがトリガー機能です。
■ OWONオシロスコープでの主なトリガータイプ
トリガータイプ |
概要例 |
用途例 |
エッジトリガー |
上昇/下降エッジ(立ち上がり/立ち下がり)でトリガー |
クロック信号、矩形波など |
パルストリガー |
一定幅のパルスを条件にトリガー |
異常なパルス幅の検出など |
ビデオトリガー |
映像信号の垂直同期や水平同期を検出 |
コンポジット映像信号などの測定 |
スロープトリガー |
一定のスロープ(傾き)でトリガー |
緩やかな立ち上がり信号の検出など |
オート/ノーマル |
トリガー条件未検出時の動作モード設定 |
無信号時の画面保持など |
■ トリガーレベルと感度の調整
トリガーレベル:波形上のどの電圧でトリガーをかけるかを設定
トリガー感度:ノイズに対する誤トリガー防止や微弱信号の正確な検出に関係
これらを適切に調整することで、信号を安定して捉えることが可能になります。
■ 実際の使い方(OWON製品の場合)
OWONの各種オシロスコープ(ADS800/ADS900/ADS3000など)は、専用ボタンまたはタッチパネル操作で簡単にトリガー条件を設定できます。
表示画面には、トリガーポイントがわかりやすく矢印や記号で表示され、初めての方でも直感的に操作できます。
■ まとめ
トリガー設定は、オシロスコープを正しく活用するための最も基本的かつ重要な機能のひとつです。
OWONのオシロスコープでは、多彩なトリガーモードと操作性の高さにより、初心者から上級者まで幅広く対応しています。
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