ファンクションジェネレータとは?
ファンクションジェネレータ(Function Generator)は、任意の周波数・振幅・波形を持った電気信号を出力できる電子計測器です。主に電子回路や機器の動作確認、特性評価、デバッグ作業などに使われ、特にオシロスコープと組み合わせて使用されることが多いツールです。
オーディオ機器から高周波回路まで、さまざまな電子機器の試験信号源として用いられており、電子工作や教育現場でも広く活用されています。
■ファンクションジェネレータの基本機能
ファンクションジェネレータの特徴は、出力できる波形の種類と、周波数や振幅などを任意に設定できる点にあります。一般的なモデルでは、以下のような波形が出力可能です。
■サイン波(正弦波)
もっとも基本的な波形で、交流信号の代表例です。フィルタやアンプの特性確認などに使用されます。
■方形波(スクエア波)
デジタル回路のクロック信号やスイッチング特性の確認などに用いられます。
■三角波/ランプ波(トライアングル波/ランプアップ/ランプダウン)
リニアな変化を持つ波形で、モーター制御やアナログ回路の直線性試験に活用されます。
■パルス波
立ち上がり時間やデューティ比を任意に調整でき、タイミング試験や高速スイッチング特性の確認に使われます。
■ノイズ波形
擬似ノイズ信号を出力できる機種もあり、耐ノイズ試験やS/N比評価などで活躍します。
■主な使用用途
ファンクションジェネレータは、非常に多用途に利用できる計測器です。以下は代表的な使用シーンです。
■電子回路の動作確認
入力端子に任意の信号を加え、出力波形の変化や応答を観測することで、回路の動作確認が可能です。
■アンプやフィルタの周波数特性試験
サイン波の周波数をスイープさせ、回路の利得や位相特性を測定します。
■デジタル回路のクロック入力
方形波をクロック源として使い、ICやマイコンの応答確認を行います。
■センサー模擬信号の生成
実機のセンサー代わりにファンクションジェネレータを使って入力信号を模擬し、回路のテストを行います。
■出力仕様と設定項目
ファンクションジェネレータの性能は、以下のようなスペックに注目して選定します。
■周波数範囲
出力できる周波数の範囲は、数Hzから数十MHz、あるいは数百MHzに及ぶ機種までさまざまです。用途に応じた帯域を確認しましょう。
■振幅(電圧)
出力レベルは通常、数mV〜数十V(ppまたはrms)で調整できます。終端抵抗(50Ω/高インピーダンス)によって実効値は変わります。
■オフセット
出力波形に直流成分(DCオフセット)を加えることができます。たとえば、バイアス付きの交流信号を出力する際に使用します。
■出力インピーダンス
一般的には50Ωに設定されていますが、高インピーダンス出力に切り替えられる機種もあります。
■任意波形発生(Arbitrary Waveform)
近年では、「任意波形(Arbitrary Waveform)」をサポートするAWG(Arbitrary Waveform Generator)機能を搭載したモデルも増えています。ユーザーが自由に定義した波形をメモリに保存し、出力できる機能で、標準的な波形では対応できない複雑なシナリオでの試験に威力を発揮します。
たとえば、センサ出力の再現、通信波形の模倣、インパルス応答の模擬など、より実践的なテストが可能になります。
■ファンクションジェネレータとオシロスコープの連携
ファンクションジェネレータは、単体で使用するよりもオシロスコープと連携して使う場面が多くあります。波形の出力結果をリアルタイムで確認したり、周波数応答を解析したりするためには、オシロスコープとの組み合わせが欠かせません。
オシロスコープの入力チャンネルにファンクションジェネレータの出力を接続し、時間軸・電圧軸を調整することで、目的の波形が正しく出力されているかを確認します。
■ファンクションジェネレータの進化と選び方
最近では、デジタル制御、タッチパネル対応、PCとの連携、外部同期入力など、従来にはなかった高機能モデルも多く登場しています。特に教育用途やラボでの使用では、直感的なUIと安定した動作が求められます。
選定時には、以下のポイントを重視しましょう。
・必要な周波数帯域
・波形の種類と精度
・任意波形の対応有無
・出力チャンネル数
・インターフェース(USB/LANなど)
■まとめ
ファンクションジェネレータは、あらゆる電子回路の開発や評価に欠かせない信号源として、非常に汎用性の高い計測器です。使用する波形や周波数によって、シンプルなモデルから高機能なAWGモデルまでさまざまな選択肢があります。用途や予算に応じて、最適なモデルを選ぶことで、測定精度や作業効率の向上が期待できます。
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