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サーモグラフィとは
- 2025/7/2 -

■サーモグラフィとは?
サーモグラフィとは、物体が放射する赤外線を可視化して温度分布を表示する装置または技術です。赤外線カメラ(サーマルカメラ)によって対象の表面温度を測定し、色で分かりやすく表示します。工業、医療、防災、研究など幅広い分野で活用されています。

■非接触で温度を測れる仕組み
サーモグラフィは、すべての物体が温度に応じた赤外線を放射しているという性質を利用しています。センサーがこの赤外線を検出し、強度を温度に変換します。従来の接触型温度計と異なり、離れた場所からでも安全かつ素早く測定できるのが特徴です。

■カラー表示と温度分布
取得したデータは、一般的にカラー画像として表示されます。赤や白は高温、青や黒は低温を表すことが多く、一目で異常箇所を特定できる点が大きなメリットです。静止画像だけでなく、リアルタイムの動画表示も可能な機種もあります。

■産業用途での活用例
サーモグラフィは、以下のような産業用途で活用されています。

  • 電気設備の異常発熱チェック(過熱部品、断線などの検出)

  • 基板の発熱分布測定(電子機器開発時の熱解析)

  • 工場設備や配管の保守点検(熱ロスや漏れの検知)

  • 製品検査(成形や溶接部の温度確認)

■教育・研究現場でも活躍
温度分布の可視化は、教育や研究分野でも有効です。物理の授業での熱伝導の可視化や、材料工学での熱応答評価など、視覚的に理解しやすい教材としても使われています。

■選定時のポイント
サーモグラフィを選ぶ際には、以下の要素を確認することが重要です。

  • 解像度(例:160×120 〜 640×480)

  • 温度測定範囲

  • 感度(NETD:低いほど微細な温度差を検出可能)

  • フレームレート(リアルタイム表示の滑らかさ)

  • PC接続やソフトウェアの対応状況

■ホビー用途や簡易チェックにも
近年では、スマートフォンに接続して使える小型の赤外線カメラも登場し、DIYや簡易診断用途にも利用されています。価格帯も手頃になってきており、家庭や趣味の電子工作でも活用の幅が広がっています

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