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デジタルマルチメータとは?
- 2025/7/2 -

■デジタルマルチメータとは?

デジタルマルチメータ(DMM:Digital Multimeter)は、電気や電子回路の基本的な測定に使われる多機能な計測器です。一般的に「テスター」とも呼ばれ、電圧・電流・抵抗といった基本的な電気量の測定が可能です。デジタル表示で数値が読みやすく、携帯型から据え置き型までさまざまなモデルが存在します。

■測定できる代表的な項目

デジタルマルチメータでは、以下のような項目を1台で測定できます。

直流電圧(DCV)
 乾電池や電源回路の電圧チェックに使用。

交流電圧(ACV)
 コンセントの電圧やACアダプタの確認に使用。

直流電流(DCA)・交流電流(ACA)
 回路に流れる電流を測定(多くはmA単位まで対応)。

抵抗(Ω)
 抵抗器の値や導通状態のチェックに使う。

導通チェック(ブザー付き)
 配線がつながっているか、断線していないかを簡易的に確認可能。

ダイオードテスト
 ダイオードの順方向電圧降下を測定し、正常かどうか判別。

静電容量(一部モデル)
 コンデンサの容量を測ることができる。

周波数や温度(上位機種)
 より高機能なDMMでは周波数測定や熱電対による温度測定も可能。

■アナログ式との違い

デジタルマルチメータは、従来のアナログ式に比べて以下のような点で優れています。

視認性が高い:LCD表示により数値を正確に読み取れる
多機能:1台で複数の測定に対応
高精度:桁数(3½桁、4½桁、6½桁など)に応じて高分解能測定が可能
自動レンジ機能:測定対象に応じて自動でレンジを切り替え可能

■測定レンジと分解能

DMMには「レンジ」と呼ばれる測定範囲があります。たとえば、電圧が0〜20Vの範囲であれば、20Vレンジを選ぶ必要があります。最近のモデルでは、自動で最適なレンジを選んでくれるオートレンジ機能が搭載されているため、初心者でも使いやすくなっています。

また、「分解能」とは、最小でどれだけの変化を読み取れるかを示すもので、これが細かいほど高精度とされます。

■使用時の注意点

デジタルマルチメータを使うときには、以下の点に注意することが大切です。

測定対象とモードの一致を確認
 電圧を測るつもりで電流モードのままだとヒューズが切れる可能性があります。

リードの接続位置を間違えない
 特に電流測定では、COM端子とmA/A端子を正しく使い分ける必要があります。

感電・破損に注意
 高電圧を測る際は、CAT規格(過電圧カテゴリ)に対応したモデルやリードを使用しましょう。

■用途例

・電子工作や基板のデバッグ
・自動車や家電製品の修理
・太陽光発電やバッテリー回路の点検
・工場や研究施設での設備保守や電気検査

DMMは、初心者からプロの技術者まで、あらゆる場面で使われる基本計測器です。

■まとめ

デジタルマルチメータは、電気や電子機器に関わるあらゆる作業の基本となる測定器です。1台あれば、電圧・電流・抵抗などのチェックがすぐに行え、作業効率と安全性を高めてくれます。OWONをはじめとする各社の多彩なモデルから、用途に合った1台を選び、ぜひ日常の測定業務に役立ててください。

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