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OWON 電子負荷 ― 電源・バッテリ評価に欠かせない負荷シミュレーション
- 2025/10/13 -

OWON 電子負荷 ― 電源・バッテリ評価に欠かせない負荷シミュレーション

電子負荷(Electronic Load)は、電源やバッテリなどの出力性能を評価するための基本計測器です。
電流・電圧・電力を制御して、実際の機器動作を模擬しながら電源の安定性や保護特性を測定できます。
OWONの電子負荷シリーズは、研究・開発・品質保証・教育分野で幅広く利用され、
「安全に・正確に・再現性高く」負荷を再現することを目指した設計が特徴です。



電子負荷の基本原理と役割

電子負荷は、電力を電子的に吸収して負荷条件を作り出す装置です。
抵抗器の代わりにトランジスタなどの半導体素子で電流を制御し、
電源に対して「どの程度の電力を引き出すか」を精密に設定できます。

主な動作モードは以下の4種類です。

定電流(CC)モード:一定の電流を流し続け、電源の電圧安定性を評価。
定電圧(CV)モード:設定電圧を維持しながら、電流変動を測定。
定抵抗(CR)モード:抵抗負荷を模擬し、実機接続を想定した試験に利用。
定電力(CP)モード:消費電力を一定に保ち、発熱・過負荷特性を評価。

これらのモードを使い分けることで、電源やバッテリの性能を多角的に確認することができます。



電源試験への活用 ― 出力安定性と保護動作の評価

電子負荷を用いると、電源の出力がどの程度安定しているかを精密に確認できます。
たとえば、定電流モードで1Aから10Aまで電流を段階的に変化させることで、
出力電圧がどれだけ変動するか(ロードレギュレーション)を観測できます。

また、負荷を一気に増減させる過渡応答試験では、電源の制御速度や保護回路の作動タイミングを確認できます。
この試験により、急な負荷変化にも安定した電圧を維持できるかどうかを判断することができます。

オシロスコープと併用すれば、出力波形のリップルやスパイクノイズも可視化でき、
電源の「安定性」「応答性」「ノイズ耐性」を総合的に評価することが可能です。



バッテリ試験への応用 ― 放電特性と容量評価

電子負荷は、バッテリの放電試験にも欠かせません。
設定電流で放電を行い、電圧の低下や容量を測定することで、
バッテリの劣化状態や使用環境での特性を正確に把握できます。

また、放電電流やカットオフ電圧を設定して自動停止させる機能により、
安全で再現性の高いバッテリ評価が行えます。
教育・研究の現場でも、エネルギー変換の実験や再生可能エネルギーシステムの評価に活用されています。



自動化とデータ解析 ― 測定精度をさらに高める

OWONの電子負荷は、USBやLANを介したPC接続・リモート制御にも対応しています。
SCPIコマンドを利用することで、電流・電圧・時間をプログラム的に制御し、
複雑な負荷変動パターンを自動的に実行できます。

これにより、再現性の高い試験環境を実現できるだけでなく、
PythonやLabVIEWなどのプログラムからデータ収集や長時間ログを取得することも可能です。
複数条件を自動で切り替える試験や、製品寿命評価のような長期測定にも適しています。



安全に使うためのポイント

電子負荷は大電流・高電力を扱うため、安全運用が欠かせません。

・冷却ファンや放熱スペースを確保し、長時間運転時の温度上昇を防ぐ
・入力端子の極性を確認し、逆接続を防止する
・測定対象と電子負荷の定格を超えないよう設定する
・ケーブルの太さ・絶縁耐圧を確認し、電流容量に見合った配線を行う

これらの基本を守ることで、測定の安定性と機器の長寿命化が実現します。



教育・研究での活用 ― 理論と実験をつなぐツール

電子負荷は、エネルギー変換・電源制御・再生電力の理解を深めるための教育機材としても有効です。
学生が「電力を消費する側」の動作を体験的に学ぶことで、
電源や回路設計におけるバランスの重要性を理解できます。

また、オシロスコープや直流電源と組み合わせた双方向試験では、
エネルギーの流れを可視化しながら、制御理論や電気的安定性を実験的に確認できます。



OWON電子負荷が選ばれる理由

高い操作性と再現性
 明快な設定メニューと安定した制御性能で、電源・バッテリ評価を正確に再現。

安全性への配慮
 過電流・過電圧・過熱保護を搭載し、長時間試験でも安心して使用可能。

自動化とデータ連携
 USB/LAN制御により、試験シーケンスを自動化し、測定効率を大幅に向上。


まとめ

電子負荷は、電源やバッテリの「実力」を引き出すための評価ツールです。
OWONの電子負荷シリーズは、安全・精密・直感的な操作を重視し、
教育、研究、製造のすべての現場で信頼される計測環境を実現します。

電源を“作る”直流電源と、負荷を“再現する”電子負荷。
その組み合わせこそが、真の評価・検証を可能にする最適な測定ソリューションです。

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