PCオシロスコープとは
PCオシロスコープとは、計測用のハードウェア本体と、パソコン用のソフトウェアを組み合わせて使用するコンパクトなデジタル波形測定器です。一般的な据置型(ベンチトップ型)オシロスコープとは異なり、本体自体にディスプレイを持たず、USBケーブルでPCに接続して、PC画面上に波形を表示・解析する構成を取ります。
測定精度や機能はベンチトップ型に匹敵しながら、小型・軽量・低価格といった特徴を併せ持つため、教育・設計・メンテナンスなどさまざまな現場で利用されています。
特長
PC接続による大画面・高解像度表示
USBバスパワーで動作可能なモデルもあり、電源不要
波形保存・画面キャプチャ・データ出力などPCベースの利便性を活用
12ビット高分解能ADC搭載モデルもあり、正確な波形観測が可能
低価格で導入可能なため、教育用途や個人ユースにも最適
ファームウェアやソフトウェアの更新で機能拡張が可能
OWONのPCオシロスコープ:VDSシリーズの紹介
OWONでは、PC接続型の高性能オシロスコープ「VDSシリーズ」を展開しています。
代表的なモデルには、以下のような製品があります:
■ OWON VDS1022I
帯域幅:25MHz / チャンネル数:2CH
サンプリングレート:100MSa/s
絶縁型USBインターフェース搭載で、測定対象とPCを安全に分離
マルチトリガ、FFT、波形演算、データ保存などソフト機能が充実
USBバスパワー駆動で外部電源不要、持ち運びも容易
■ OWON VDS6074
帯域幅:70MHz / チャンネル数:4CH
サンプリングレート:1GSa/s(インターリーブ)
PC画面上での同時多チャンネル表示に対応
プロ仕様のFFT、ズーム、測定統計機能を標準装備
VDSシリーズは、高性能とコストパフォーマンスを両立したPCオシロスコープとして、製造業、研究開発、教育分野で高く評価されています。
利用シーン
- 教育機関での電子計測実習やリモート授業
- 開発現場での省スペース測定環境構築
- 製造ラインでのモニタリング用途
- フリーランスエンジニアの簡易評価ツール
- ノートPCとの組み合わせによるポータブル測定環境
ベンチトップ型との比較
項目 |
PCオシロスコープ |
ベンチトップ型 |
可搬性 |
◎ 軽量・コンパクト |
△ 据置き専用 |
表示 |
PCモニタ依存 |
内蔵ディスプレイ |
操作性 |
マウス・キーボード操作 |
ノブ・ボタン |
機能拡張性 |
○ ソフト更新で柔軟 |
◎ ハード機能多数 |
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