垂直分解能(Vertical Resolution)とは?
- 2025/6/8 -
垂直分解能(Vertical Resolution)とは?
垂直分解能(Vertical Resolution)とは、オシロスコープなどの波形表示機器において、電圧信号をどれだけ細かく数値として表現できるかを示す指標です。通常はビット(bit)単位で表され、「8ビット」「12ビット」などの形でスペックに記載されます。
垂直分解能が高いほど、微細な電圧変化をより正確に捉えることができます。たとえば、同じ電圧範囲(例:0〜1V)を測定する場合:
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8ビット分解能:256段階(2⁸)で電圧を区切る ⇒ 約3.9mV刻み
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12ビット分解能:4096段階(2¹²)で区切る ⇒ 約0.24mV刻み
つまり、12ビットの方が微小な電圧変動を詳細に観測できるため、アナログ信号の歪みやノイズ成分の分析など、精密な測定を必要とする場面に適しています。
近年では、高分解能のオシロスコープへの需要が高まっており、特に医療機器やセンサ信号の測定、アナログ回路の評価などで活躍しています。
OWON製のデジタルオシロスコープでも高分解能モデルが展開されており、たとえば「OWON ADS800Aシリーズ」や「XDSシリーズ」では12ビットの垂直分解能を採用。一般的な8ビット機に比べて高精度かつ低ノイズの波形表示が可能で、従来の測定では見逃されがちだった微小な信号の観察が可能になります。
ただし、垂直分解能が高くても、ノイズの影響や測定条件によっては実効分解能が低下することもあるため、実際の測定環境やアプリケーションに応じた選定が重要です。
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