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メモリ長とは?
- 2025/6/1 -

メモリ長(メモリデプス)とは?

メモリ長(Memory Depth)とは、オシロスコープなどの測定機器において、取得した波形データを一時的に保存しておける容量のことを指します。「メモリデプス」とも呼ばれ、一般的にポイント数(pts)やサンプル数(ptsまたはポイント)で表されます。たとえば「40Mpts」の場合、1チャネルあたり最大4,000万ポイントの波形データを記録できることを意味します。

このメモリ長が長ければ長いほど、高いサンプリングレートを維持したまま長時間の信号を記録することが可能になります。逆に、メモリが短いと、サンプリングレートを下げなければ長時間の波形が記録できず、波形の詳細な変化を見逃す可能性があります。

たとえば、1GSa/sで波形を取得する場合、1Mptsのメモリでは1ミリ秒(ms)しか記録できませんが、10Mptsなら10ミリ秒、100Mptsなら100ミリ秒分の詳細な波形を保持できます。過渡現象やノイズ、異常信号を捉えるには、十分なメモリ長が不可欠です。

OWON製のデジタルオシロスコープでは、用途に応じてさまざまなメモリ長のモデルが用意されています:

  • OWON HDS200シリーズ:携帯型ながら10kpts以上の基本メモリを搭載

  • OWON XDSシリーズ:最大40Mptsの大容量メモリモデルもあり、長時間記録に対応

  • OWON ADS800Aシリーズ:12ビット高分解能+大容量メモリで、ノイズ解析や高精度測定に最適

特にノイズの中からわずかな異常信号を検出するには、高いサンプリングレート+十分なメモリ長の組み合わせが必要です。また、メモリ長が大きいほど、ズーム解析や波形ナビゲーション機能も活用しやすくなり、詳細な波形解析やトラブルシューティングの効率が向上します。

ただし、メモリ長が大きいと、取得データの処理や画面描画に時間がかかる場合もあるため、必要に応じてメモリ長を手動で調整できる機能があると便利です。

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