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FFT解析(高速フーリエ変換)とは?
- 2025/6/1 -

FFT解析(高速フーリエ変換)とは?

FFT解析(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)とは、時間領域の信号を周波数領域に変換する解析手法であり、オシロスコープなどの波形観測装置において、信号がどのような周波数成分を持っているかを視覚的に表示するために用いられます。

通常のオシロスコープでは時間軸に沿った波形(電圧 vs. 時間)を表示しますが、FFT解析を使うことで、その波形に含まれる各周波数成分の強度(振幅)を周波数軸上に表示することができます。これにより、ノイズの原因となる不要な高周波成分の特定や、信号の周波数構成の可視化が可能になります。

FFT解析は以下のような用途で非常に有効です:

  • スイッチング電源のノイズ評価

  • 高調波の測定

  • 通信信号のスペクトル解析

  • 不明な発振の周波数成分の特定

  • フィルタ回路の周波数特性の観測

OWON製のデジタルオシロスコープには、多くのモデルでFFT機能が標準搭載されています。

  • OWON XDSシリーズ:高分解能(12ビット)と広帯域により、精密なFFT解析が可能。多様なウィンドウ関数の選択にも対応し、ノイズの影響を抑えた分析が可能です。

  • OWON ADS800Aシリーズ:1GSa/sの高速サンプリングと12ビットADCにより、高精度のスペクトル解析が可能で、オーディオ信号やセンサ出力の解析にも最適です。

  • OWON HDS200シリーズ:小型で持ち運び可能なモデルながら、基本的なFFT表示機能を備えており、現場作業での周波数確認に便利です。

FFT解析の精度は、サンプリングレート・メモリ長・窓関数の選定に大きく左右されます。正確な周波数分解能やスペクトルの滑らかさを求める場合は、大容量メモリと高サンプリングの機種を選ぶことが重要です。

また、FFTは非周期信号や過渡信号に対して誤差が出やすいため、必要に応じてスペクトログラムや波形録画機能などと併用することで、より信頼性の高い解析が可能になります。

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