入力インピーダンス(Input Impedance)とは?
入力インピーダンス(Input Impedance)とは、オシロスコープやマルチメータなどの電子計測機器において、信号を入力する端子(入力回路)が持つ電気的な抵抗+リアクタンスの合成値を指します。単位はオーム(Ω)で、測定対象の回路や信号源に与える負荷(=影響)の大きさを示す重要な指標です。
一般的なオシロスコープでは、入力インピーダンスは「1MΩ(メグオーム)」が標準であり、これは高インピーダンス入力と呼ばれます。高インピーダンスであることで、測定対象からほとんど電流を奪わず、波形を忠実に観測することができます。
また、高周波信号を正しく測定するためには、50Ωの入力インピーダンスが必要になる場面もあります。たとえば、RF信号や高速デジタル信号などは、信号源や伝送ラインとのインピーダンス整合を保つことが重要で、これが崩れると反射や波形の歪みの原因になります。
多くの中・上位モデルのオシロスコープでは、入力インピーダンスを「1MΩ / 50Ω」で切り替えられる機能が搭載されており、測定対象に応じて最適な設定が可能です。
OWON製のデジタルオシロスコープでは、次のような入力インピーダンス仕様があります:
■OWON XDSシリーズ/ADS800Aシリーズ:標準で1MΩ入力、BNCインターフェースによりプローブ接続が容易。50Ω測定には、外付けの**BNC終端抵抗(50Ωターミネータ)**を使うことで対応可能です。
■OWON HDS200シリーズ:ハンドヘルド型でも1MΩの高インピーダンス入力を採用し、低負荷での測定が可能。現場での簡易チェックや保守作業に便利です。
なお、オシロスコープのプローブも入力インピーダンスに影響を与えます。たとえば、10:1のパッシブプローブを使用すると、実効的な入力インピーダンスは10MΩ程度になり、より微弱な信号への影響を抑えることができます。
まとめ:
■1MΩ: 一般的な電子回路測定に最適(高インピーダンス)
■50Ω: RF信号や高速伝送路の測定に必要(インピーダンス整合)
■適切な選択が信号の忠実性・精度に直結
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