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出力インピーダンス(Output Impedance)とは?
- 2025/6/2 -

出力インピーダンス(Output Impedance)とは?

出力インピーダンス(Output Impedance)とは、電子機器が信号や電力を出力する際に、**出力端子側が持つ見かけ上のインピーダンス(抵抗+リアクタンスの合成値)**のことです。単位はオーム(Ω)で表され、信号の受け渡し先に与える影響を決定づける重要な特性の一つです。

たとえば、関係する代表的な電子機器として以下が挙げられます:


■信号発生器(ファンクションジェネレータ、RF信号源)

■電源装置(プログラマブル電源、バイポーラ電源など)

■オーディオアンプやトランスミッタ


出力インピーダンスが高すぎると、負荷に信号や電圧が十分に伝わらず、波形の歪みやレベルの低下を引き起こすことがあります。逆に、出力インピーダンスが理想的に0Ωに近い場合、負荷の変化に対して安定した出力が得られます。

また、高周波(RF)分野では50Ωが標準インピーダンスとして広く使われており、機器の出力インピーダンスと負荷インピーダンスを50Ωで揃えること(=インピーダンス整合)が求められます。これにより信号反射を最小限に抑え、効率的な信号伝送が実現されます。

たとえば、OWON製のファンクションジェネレータやRF信号発生器の多くは、出力インピーダンスを50Ωに設定しており、同軸ケーブルや測定機器とのインピーダンス整合がしやすく設計されています。マニュアルや仕様書では「出力インピーダンス:50Ω(公称)」と明記されていることが一般的です。

また、オシロスコープなどの測定機器に信号を入力する際にも、出力側のインピーダンスに応じた終端処理(たとえば50Ω終端)を行うことで、波形の忠実性が保たれます。

出力インピーダンスが重要な理由:

■波形の歪みを防ぐ

■信号の伝送効率を最大化

■反射やノイズの抑制

■回路間の信号の正確な受け渡し


理想的には、出力インピーダンスは低く、負荷側のインピーダンスと整合していることが望まれます。特に高速信号や高周波領域では、インピーダンス整合が波形品質を大きく左右するため、回路設計や機器選定時の重要なポイントとなります。

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