ノイズレベル(Noise Level)とは?
ノイズレベル(Noise Level)とは、オシロスコープや信号発生器、電源装置などの電子測定機器において、本来測定・出力したい信号に対して混入する不要な信号成分(ノイズ)の大きさを表す指標です。一般に、Vrms(実効値)やmVpp(ピーク・ツー・ピーク)などの単位で表されます。
ノイズレベルは、計測機器の性能や回路設計の品質、シールド・グラウンド処理、電源品質などに大きく影響を受けます。ノイズレベルが低ければ低いほど、微小な信号を正確に観測・評価できるため、高精度な測定には欠かせない性能です。
特に以下のような場面でノイズレベルは重要です:
■微小電圧信号の観測(センサ、オーディオ、アナログICなど)
■高分解能測定(12ビットADC搭載機など)
■高速スイッチング電源やRF回路の評価
■医療機器・理化学測定機器における信号検出
OWON製のオシロスコープでは、機種に応じてノイズレベルの最適化が図られています。たとえば:
■OWON ADS800Aシリーズは、12ビットADCを搭載し、従来の8ビット機と比較してノイズフロアが大幅に低減。微小信号の観測やリップル測定に優れています。
■OWON XDSシリーズも高分解能モデルでは、低ノイズ入力回路設計と適切なシールド構造により、安定した信号観測が可能です。
■OWON HDS200シリーズのようなハンディ型機でも、入力段の設計により現場での基本的なノイズ抑制がなされています。
また、ノイズレベルは帯域幅やサンプリング設定、**垂直感度(V/div)**などによっても変化します。帯域制限フィルタ(20MHz帯域制限など)を有効にすることで、高周波ノイズを抑えて信号の本質を見やすくすることも可能です。
さらに、比較対象として「SN比(Signal-to-Noise Ratio)=信号対雑音比」が用いられることも多く、これは信号の強度に対するノイズの割合を示す指標です。
まとめ:
■ノイズレベルが低い=微小信号を正確に観測できる
■12ビットADC機ではノイズの影響が相対的に大きいため、低ノイズ設計が不可欠
■OWON製品は低ノイズ設計+帯域制限機能により、安定した波形表示を実現
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