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波形保持(Waveform Hold / フリーズ)とは?
- 2025/6/10 -

波形保持(Waveform Hold / フリーズ)とは?

波形保持(Waveform Hold)とは、オシロスコープなどの電子測定機器において、現在表示されている波形を一時的に固定(フリーズ)して画面に残す機能を指します。この機能により、過渡現象や一時的な異常信号を見逃さず、詳細に解析することが可能になります。

測定中の信号は通常リアルタイムで連続的に更新され続けますが、波形保持を使用することで、目視確認やカーソル測定、スクリーンショットの取得などを落ち着いて行うことができます。たとえば以下のような場面で活用されます:


■異常信号(グリッチ・スパイク)を発見した直後に一時停止して確認

■教育・トレーニング時に波形例を説明する際の一時保存

■スクリーンショットや保存データの準備時

■波形比較やカーソル測定による定量分析


操作方法と呼称の違い:

製品によって、「Hold(ホールド)」「Stop(停止)」「Freeze(フリーズ)」など異なる用語が使われることがありますが、いずれも波形更新を止めて画面を固定するという意味では共通しています。

OWON製品における波形保持機能:

OWON製のデジタルオシロスコープでは、ほぼすべてのモデルで波形保持機能が搭載されています。具体的には:


■OWON XDSシリーズ:前面パネルの「Stop」ボタンで波形を一時停止し、その瞬間の波形を詳細に解析できます。また、複数波形のオーバーレイ比較なども可能。

■OWON ADS800Aシリーズ:12ビット高分解能とあわせて、保持された波形の精密な測定・ズーム解析に対応。

■OWON HDS200シリーズ:コンパクトながら「ホールドボタン」で現場測定時の確認やエビデンス記録に活用可能。


保持中の波形は、画面上でカーソル移動、ピーク検出、FFT解析などの処理が可能な機種も多く、瞬間的な波形変化の分析に大きな利便性を発揮します。

注意点:

波形保持はあくまで現在の画面表示の停止であり、裏で信号取得を続けているわけではないため、その間に発生した新たなイベントは記録されません。連続的なデータ記録を必要とする場合は、リアルタイム記録やセグメントメモリ機能の併用が推奨されます。

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