プローブが壊れたときのサイン|故障に気づく5つのチェックポイント
オシロスコープで信号がうまく表示されないとき、原因は本体ではなく「プローブの故障や劣化」であるケースが少なくありません。プローブは繊細な構造を持ち、断線や接触不良、劣化などによって正確な測定ができなくなることがあります。
ここでは、OWON製パッシブプローブや差動プローブなどを使用しているユーザー向けに、「プローブが壊れたサイン」を具体的にご紹介します。早期発見により、不要なトラブルや誤判定を回避できます。
【1】信号が全く表示されない
最もよくあるサインです。信号を入力しているのに、画面に波形が全く表示されない場合、プローブ内部の断線やBNC端子の接触不良が疑われます。
→ 別のチャンネルで同じ信号を確認し、プローブが原因かどうかを切り分けましょう。
【2】波形がノイズだらけ、不安定
正常な信号が得られず、画面がジッター(揺れ)したり、ランダムノイズが頻繁に出る場合は、内部導体の劣化やアース線の断線が疑われます。グランド接続が不完全だと、測定結果に大きなノイズが入ります。
→ グランドフックのゆるみや断線も要確認です。
【3】特定の角度でしか信号が安定しない
プローブを動かしたり、ケーブルを曲げたときにのみ信号が安定する場合は、内部で導線が部分的に切れかかっている可能性が高いです。
→ ケーブルの曲げ具合で表示が変化するようなら、早めの交換を検討しましょう。
【4】波形の形がおかしい(歪み・オーバーシュート)
補正済みであるにもかかわらず、方形波の角が丸くなる・尖る・傾くなど、波形が大きく歪む場合、プローブ内の補正回路の故障やコンデンサの劣化が考えられます。
→ 別の正常なプローブと交換して同じ信号を測定してみましょう。
【5】プローブ先端がグラグラ・ピンが曲がっている
プローブの先端が物理的に破損している状態です。フック部分の金属ピンが曲がったり、差し込みが不安定な場合、正しい信号取得ができません。
→ 応急処置ではなく、安全のために交換を推奨します。
【補足】プローブ故障を見逃さないための対策
- 月に1回は点検・補正を実施
- 予備プローブを常備し、比較確認ができる環境を整える
- OWON純正プローブを使用することで安定性を確保
- 経年使用(3年以上)しているプローブは要注意
OWONでは、各シリーズ(ADS800A、ADS900A、HDS200など)に対応した交換用パッシブプローブや高電圧プローブをラインナップしています。破損や不具合を感じた際は、速やかに純正品への交換をご検討ください。
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