アクティブプローブとは|高速・微小信号測定に最適な高性能プローブ
アクティブプローブ(Active Probe)とは、プローブ内部に増幅回路やバッファ回路などの能動素子(アクティブ回路)を内蔵した高性能なプローブのことです。一般的なパッシブプローブと比べて、より高周波の信号や微小な電圧を高精度・高帯域で測定できるのが大きな特長です。
アクティブプローブのメリット
■広い帯域幅への対応 アクティブプローブはGHzクラスの帯域幅に対応できるモデルもあり、高速デジタル回路やRF信号の測定に適しています。低
■入力容量(入力負荷が小さい) 一般的なパッシブプローブに比べて入力容量が大幅に低く、測定対象の回路に与える影響(負荷効果)を最小限に抑えられます。
■微小信号の測定に強い μV~mVレベルの微小信号でも正確に測定でき、センサ出力やノイズ測定、医療機器の信号解析などにも利用されています。
アクティブプローブの注意点
■電源が必要:アクティブ回路を動作させるため、USB給電や外部バッテリー、専用電源ユニットが必要になります。OWON製オシロスコープと使用する際は、互換性のある給電方法を確認してください。
■価格が高め:パッシブプローブに比べて構造が複雑なため、価格は高くなりますが、その分高性能な測定が可能です。
■耐電圧が低め:一般的に、高電圧には不向きなため、高耐圧測定が必要な場合は高電圧差動プローブなどの専用プローブを使い分ける必要があります。
OWONとアクティブプローブ
OWON製オシロスコープ(例:ADS900Aシリーズ、XDSシリーズなど)では、外部電源供給型のアクティブプローブや差動タイプの光アイソレーションプローブ(例:MOIPシリーズ)が使用可能です。特にノイズの多い環境下や、GNDが異なる回路の測定において、優れた信号忠実性と安全性を提供します。
また、OWONの一部オシロスコープにはプローブタイプの自動認識機能を備えたモデルもあり、対応アクティブプローブを接続するだけで適切な測定条件が設定されるため、初心者でも安心です。
まとめ
アクティブプローブは、高速信号や高精度が求められる計測において欠かせないツールです。パッシブプローブでは対応が難しい測定にも、アクティブプローブを用いることで正確かつ安定した結果が得られます。
OWON製オシロスコープをお使いの方は、測定対象に応じてアクティブプローブを上手に使い分けることで、ワンランク上の測定環境を構築できます。
Previous: アクティブプローブ vs パッシブプローブ 比較表
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