RS-232とは
RS-232とは、Electronic Industries Association(EIA)によって定められたシリアル通信規格の一つで、主に機器間のデータ通信に使用されるインターフェースです。正式名称は「EIA-232」とも呼ばれ、1970年代からコンピュータや計測器、モデムなどの分野で広く採用されてきました。現在ではより高速なUSBやLAN接続が主流になっていますが、RS-232は今なお一部の産業用機器や制御装置で利用されています。
RS-232の特徴
RS-232は1本の信号線でデータを1ビットずつ送信する「シリアル通信方式」に対応しており、接続は主にD-sub 9ピンまたは25ピンのコネクタが用いられます。通信は非同期方式で、スタートビットとストップビットによってデータの区切りが管理されます。最大通信距離は一般に15メートル程度で、通信速度は通常300bpsから115200bpsまで対応します。
主な用途
■ 計測機器や試験装置とのシリアル通信
■ プログラマブルコントローラ(PLC)との接続
■ モデムやPOS端末とのデータ送受信
■ ファームウェア書き込みやデバッグ用通信
■ 古いシステムとの互換性を確保した制御環境
RS-232のメリット
■ インターフェースが単純で信頼性が高い
■ 特別なドライバを必要としないケースが多い
■ 古い機器とも直接接続可能で、長期運用に向いている
■ プロトコルが明確で制御がしやすい
RS-232の注意点
RS-232は信号の電圧レベルが±12Vと比較的高いため、他のインターフェース(TTLレベルなど)と直接接続する際にはレベル変換が必要です。また、通信速度やケーブル長に限界があるため、高速通信や長距離通信には不向きです。近年のPCにはRS-232ポートが搭載されていないことも多いため、USB-シリアル変換アダプタを用いるケースも一般的です。
まとめ
RS-232は古くから使われているシリアル通信の標準規格であり、現在でも多くの産業機器や制御機器で利用されています。シンプルで安定した通信を求める環境において、今後も一定の需要が続くインターフェースです。適切なケーブルと設定により、測定機器や制御システムとの確実な接続を実現します。
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