波形比較機能(Waveform Comparison)とは?
波形比較機能とは、オシロスコープなどの電子測定機器において、基準となる波形とリアルタイムで取得した波形とを比較し、その一致・不一致を自動的に判定する機能を指します。この機能により、製造現場での検査や、信号品質の異常検出、設計時の安定性評価などが効率的に行えるようになります。
波形比較は通常、以下のようなステップで実行されます:
■基準波形(マスタ波形)を記録・保存
■リアルタイム波形を継続的に取得
■両者を比較し、しきい値(マージン)を超える差異がある場合に「Fail(不一致)」と判定
■合致すれば「Pass(一致)」と表示される
これにより、オペレーターが目視で波形を判断する必要がなく、自動検査・合否判定が可能となります。特に以下のような用途に適しています:
■生産ラインにおける出荷前検査(品質管理)
■製品のファームウェア変更後の動作比較
■長期安定性試験中の異常検出
■初期設計段階における信号比較・評価
OWON製オシロスコープにおける波形比較機能
OWON製の中・上位機種(例:XDSシリーズ、ADS800Aシリーズなど)では、波形比較機能を標準搭載しており、以下の特長があります:
■基準波形を内部メモリまたはUSBに保存可能
■上下の許容差(マージン)を設定して、細かい比較条件を柔軟に調整
■結果を「Pass/Fail」として明示的に表示し、エラー発生時に自動的にアラームやスクリーンショット保存が可能
■複数チャンネルの同時比較にも対応し、複雑な信号の整合性確認にも利用可能
たとえば、OWON XDS3204E(4chモデル)では、設定されたマスター波形とライブ波形を1画面上で重ね合わせながら比較でき、異常発生を瞬時に視認・記録することが可能です。
補足:波形比較と他の機能の違い
波形比較機能は、単なる「ホールド(停止)」や「カーソル測定」とは異なり、自動的な波形一致判定とログ機能が統合されている点が特徴です。また、FFT表示やマスキング機能と組み合わせることで、より高度な異常解析が可能となります。
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