English  中文站
SCPIコマンドとは?|OWONオシロスコープを自動制御する標準通信言語
- 2025/6/10 -

SCPIコマンドとは?|OWONオシロスコープを自動制御する標準通信言語

 

SCPI(スキッピー)コマンドとは、電子計測器をパソコンなどの外部機器から制御・操作するための標準的なコマンド体系です。
正式名称は Standard Commands for Programmable Instruments で、多くのオシロスコープ、マルチメータ、信号発生器などがこの規格に対応しています。

OWONのオシロスコープもSCPIに対応しており、USBやLAN接続を通じて自動測定・データ取得・条件設定などが可能です。

 

■ SCPIの主な特徴

 

-英語ベースのテキストコマンド(例::MEASure:VPP?)

-多くのメーカーで共通利用可能

-自動化・リモート制御・測定スクリプトに最適

-Python、LabVIEW、C++など様々な言語と連携可能

 

 

■ SCPIでできること(OWON製オシロスコープの例)

 

操作内容

コマンド例

説明

垂直レンジの設定

:CHAN1:SCALe 0.5

CH1のスケールを0.5V/divに設定

時間軸スケールの変更

:TIM:SCAL 0.001

タイムベースを1ms/divに設定

トリガーレベルの取得

:TRIG:LEV?

現在のトリガーレベルを取得

波形データの取得

:WAV:DATA?

波形データをバイナリ形式で取得

自動測定値の取得

:MEAS:VPP?

ピーク・ツー・ピーク電圧を取得

 

■ 接続方法と使用環境

OWONのSCPI対応モデル(ADS800、ADS900、ADS3000など)では、以下の接続方法が使えます:

 

-USB(USB Deviceポート)

-LAN(Ethernet)※一部モデル対応

-RS232(シリアル)※対応モデルのみ

 

通信には、ターミナルソフト(TeraTermなど)や自作スクリプト、OWONのソフトウェアツールを利用できます。

 

■ どんなときに使う?

 

-複数回の測定を自動化したいとき

-PCからの測定制御・ログ記録が必要なとき

-リモート環境での操作・モニタリングが必要なとき

 

開発現場や品質管理、研究用途などで再現性のある測定環境の構築が可能になります。

 

■ まとめ

SCPIコマンドは、OWONオシロスコープの可能性を広げる強力な自動化・遠隔制御の手段です。
PythonやLabVIEWと組み合わせることで、測定効率や精度の向上につながります。初めての方でも、基本的なコマンドから少しずつ始めることで、簡単に操作を自動化できます。