SCPIコマンドとは?|OWONオシロスコープを自動制御する標準通信言語
SCPI(スキッピー)コマンドとは、電子計測器をパソコンなどの外部機器から制御・操作するための標準的なコマンド体系です。
正式名称は Standard Commands for Programmable Instruments で、多くのオシロスコープ、マルチメータ、信号発生器などがこの規格に対応しています。
OWONのオシロスコープもSCPIに対応しており、USBやLAN接続を通じて自動測定・データ取得・条件設定などが可能です。
■ SCPIの主な特徴
-英語ベースのテキストコマンド(例::MEASure:VPP?)
-多くのメーカーで共通利用可能
-自動化・リモート制御・測定スクリプトに最適
-Python、LabVIEW、C++など様々な言語と連携可能
■ SCPIでできること(OWON製オシロスコープの例)
操作内容 |
コマンド例 |
説明 |
垂直レンジの設定 |
:CHAN1:SCALe 0.5 |
CH1のスケールを0.5V/divに設定 |
時間軸スケールの変更 |
:TIM:SCAL 0.001 |
タイムベースを1ms/divに設定 |
トリガーレベルの取得 |
:TRIG:LEV? |
現在のトリガーレベルを取得 |
波形データの取得 |
:WAV:DATA? |
波形データをバイナリ形式で取得 |
自動測定値の取得 |
:MEAS:VPP? |
ピーク・ツー・ピーク電圧を取得 |
■ 接続方法と使用環境
OWONのSCPI対応モデル(ADS800、ADS900、ADS3000など)では、以下の接続方法が使えます:
-USB(USB Deviceポート)
-LAN(Ethernet)※一部モデル対応
-RS232(シリアル)※対応モデルのみ
通信には、ターミナルソフト(TeraTermなど)や自作スクリプト、OWONのソフトウェアツールを利用できます。
■ どんなときに使う?
-複数回の測定を自動化したいとき
-PCからの測定制御・ログ記録が必要なとき
-リモート環境での操作・モニタリングが必要なとき
開発現場や品質管理、研究用途などで再現性のある測定環境の構築が可能になります。
■ まとめ
SCPIコマンドは、OWONオシロスコープの可能性を広げる強力な自動化・遠隔制御の手段です。
PythonやLabVIEWと組み合わせることで、測定効率や精度の向上につながります。初めての方でも、基本的なコマンドから少しずつ始めることで、簡単に操作を自動化できます。
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