バッテリー駆動とは
バッテリー駆動とは、機器をAC電源に接続せず、内蔵または外付けのバッテリーによって動作させる方式のことです。オシロスコープやデジタルマルチメータ、信号発生器などの電子計測機器において、バッテリー駆動に対応している製品は、電源が取れない場所でも使用できるという利点があります。特に、フィールド測定や屋外での作業、保守点検の現場などで重宝されます。
主な用途
バッテリー駆動の計測機器は、次のような場面で活用されます
■ 工場内の設備点検や保守作業
■ 屋外での信号測定や現場調査
■ 電源のない研究開発環境での一時的な測定
■ 教育現場での持ち運びを伴う実習
■ 車載機器や電源系統の評価時の移動計測
バッテリー駆動のメリット
■ 電源コンセントが不要で、自由な場所で使用できます
■ 停電時や非常時にも測定を継続できます
■ ケーブルが少なくなり、作業エリアがすっきりします
■ 携帯性に優れており、装置一式を持ち運びしやすくなります
■ ACノイズの影響を受けにくく、低ノイズ測定に有利な場合があります
注意点
バッテリーには使用時間の制限があり、長時間の測定には事前の充電や予備バッテリーの準備が必要です。また、寒冷地や高温環境では電池の性能が低下することがあります。さらに、内蔵バッテリーの劣化や寿命により、数年ごとに交換が必要になることもあります。
充電と運用管理
機器によってはUSB充電、ACアダプター充電、専用充電スタンドなど、さまざまな充電方式が採用されています。バッテリー残量の表示機能や自動電源オフ機能を備えたモデルも多く、安心して使用できます。充電中も動作可能な製品であれば、AC運用とバッテリー運用を柔軟に切り替えることが可能です。
まとめ
バッテリー駆動は、可搬性と電源の自由度を両立する優れた機能です。固定設置型の計測器では実現できない、柔軟でモバイルな測定環境を構築することができます。現場での測定や教育用途、非常時対応など、さまざまな場面でその利便性が発揮されます。
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