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オシロスコープ入門講座 第5回「信号の入力方法とトリガーの考え方」
- 2025/6/15 -

オシロスコープ入門講座 第5回「信号の入力方法とトリガーの考え方」

オシロスコープの操作において、信号の正しい入力とトリガー設定の理解は基本中の基本です。波形を安定して表示させるためには、これらの要素をきちんと押さえておく必要があります。今回は、信号の取り込み方とトリガーの役割についてわかりやすく解説します。

信号の入力方法

■ 入力信号はBNC端子にプローブを接続して取り込みます
■ 使用チャネル(CH1、CH2など)を確認し、メニューで有効化します
■ 垂直軸のスケール(V/div)を調整して、波形が画面内に収まるようにします
■ 入力カップリング(AC/DC/GND)を用途に応じて切り替えます
■ 減衰比(プローブが10:1か1:1か)と本体側の設定が一致していることを確認します

トリガーとは

■ トリガーは波形を“どこから表示するか”を決めるタイミングの基準です
■ トリガーが正しく設定されていないと、波形が流れたり不安定になります
■ 一般的には、信号の立ち上がりまたは立ち下がりを基準にトリガーをかけます

トリガーの主な設定項目

■ トリガーレベル:信号のどの電圧値でトリガーをかけるかを指定します
■ トリガーエッジ:立ち上がり(上昇)または立ち下がり(下降)を選びます
■ トリガーモード:Auto(自動)、Normal(条件一致でのみ表示)、Single(1回だけ表示)から選択します
■ トリガーソース:CH1、CH2、外部入力、ライン電源など、どの信号を基準にするかを選びます

トリガーが安定しないときの対処

■ トリガーレベルが信号の範囲外になっていないか確認します
■ ノイズの多い信号では、トリガーホールドオフ時間を調整することで安定性が改善することがあります
■ 周期の異なる信号を複数同時に測定している場合、明確なトリガーソースを選ぶことが重要です

まとめ

信号を正しく入力し、適切なトリガーを設定することで、オシロスコープは安定した波形表示が可能になります。特に、初めて使う際はAutoモードからスタートし、徐々にNormalやSingleを試すことで理解が深まります。次回は「オートセットと測定自動化の基本」について解説します。

【シリーズ】オシロスコープ入門講座(全10回)

対象読者:初めて使う方/学生/新入社員の研修用

■ 第1回:オシロスコープとは何か?基本概念と用途
■ 第2回:アナログ vs デジタルオシロスコープ
■ 第3回:基本構造と各部名称(ディスプレイ/つまみなど)
■ 第4回:プローブの基礎知識と使い方
■ 第5回:信号の入力方法とトリガーの考え方
■ 第6回:時間軸・電圧軸のスケール調整と見方
■ 第7回:波形の種類と読み取り方(矩形波/三角波など)
■ 第8回:基本的な測定項目(周期/周波数/振幅など)
■ 第9回:簡単なトラブルシューティング(波形が出ないとき等)
■ 第10回:よくある使い方の事例(電源・通信・オーディオ)

 

 

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