失敗しないオシロスコープ操作術 第3回「トリガーが安定しない原因と解決策」
オシロスコープで波形を安定して表示させるには、トリガーの設定が非常に重要です。トリガーがうまくかかっていないと、波形が流れてしまったり、ちらついたりして、正確な観測ができません。ここでは、トリガーが安定しない原因とその対処法について解説します。
トリガー設定の基本を確認する
■ トリガーモードが「Auto」か「Normal」かを確認する
■ 「Auto」では信号が無くても画面が更新されるが、「Normal」では条件に一致しないと更新されない
■ 通常の信号観測には「Auto」が便利だが、特定のイベントを捉えるには「Normal」や「Single」を使う
トリガーレベルの位置を見直す
■ トリガーレベルが波形の上下限を超えていないか確認する
■ 波形の中心付近(0V周辺)に設定すると、安定してトリガーがかかりやすい
■ 急峻な立ち上がりを捉える場合は、トリガーポイントの微調整が重要
トリガーソースの選択ミスを避ける
■ 実際に信号が入っているチャンネルがトリガーソースとして選ばれているか確認する
■ 複数チャンネルを使用しているときは、波形が見えていても別のチャンネルがトリガーになっていて不安定になることがある
トリガータイプの選定が適切か
■ トリガーにはエッジ(立ち上がり/立ち下がり)、パルス幅、ビデオなど複数の種類がある
■ 基本的な波形観測には「エッジトリガー」が最もよく使われる
■ 特殊な信号(パルス幅、ノイズ)には、専用のトリガータイプを使うとより安定する
信号の性質に合わせた調整をする
■ 繰り返し周期が不規則な信号では、通常のトリガー設定ではうまく表示されない場合がある
■ このような場合は「Holdoff(ホールドオフ)」時間を調整し、連続トリガーの間隔を空けると改善する
■ ノイズが多い信号では、トリガーフィルタ機能や平均化モードを併用するのも有効
まとめ
トリガーが安定しない場合、多くは設定の見直しで解決できます。トリガーレベル・モード・ソース・タイプの4つのポイントを中心にチェックし、必要に応じてホールドオフやフィルタも活用することで、安定した波形観測が可能になります。次回は「ノイズだらけの波形を改善する方法」について解説します。
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