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失敗しないオシロスコープ操作術 第7回「保存・エクスポート・PC転送トラブルの対処法」
- 2025/6/15 -

失敗しないオシロスコープ操作術 第7回「保存・エクスポート・PC転送トラブルの対処法」

測定データや波形画像を保存しようとしたとき、うまくファイルが記録できない、PCに転送できないといったトラブルは意外と多くあります。この回では、オシロスコープの保存・エクスポート機能と、それに伴うトラブルシューティングのポイントを解説します。

USBメモリに保存できないときの対処法

■ USBメモリはFAT32形式でフォーマットされている必要がある(NTFSは非対応の場合あり)
■ メモリが古すぎたり、容量が大きすぎると認識されないことがある
■ USBメモリを挿すタイミングによっては正しく認識されないため、挿入後に再起動または再認識を試す
■ 保存先のディレクトリやファイル名に日本語を含めないようにする

ファイル形式の違いに注意する

■ 波形画像の保存形式は通常「.bmp」や「.png」などで、印刷や報告書用に使える
■ 測定データの保存は「.csv」「.bin」などがあり、後処理用に用途が分かれる
■ 自分の目的にあった形式を選ばないと、PC上で開けない・解析できないことがある
■ ファイル拡張子が自動で付与されない機種もあるため、保存時に明記する

LANやUSB経由でPCに転送できない場合

■ LAN接続では、IPアドレス設定が適切か(手動/DHCP)を確認する
■ USB接続時、PC側にドライバ(例:VCPドライバやUSBTMCドライバ)がインストールされているか確認
■ セキュリティソフトやファイアウォールが接続を妨げていないか確認
■ SCPIコマンドなどで制御している場合、接続モードとプロトコルの整合性に注意

専用ソフトウェア使用時の注意点

■ メーカー提供のPCソフトを使用する場合、バージョンの互換性や対応OSに注意
■ 接続が安定しない場合、USBケーブルの交換や、LANケーブルをストレート/クロスで試す
■ WindowsのCOMポート番号やIPアドレスが競合していると接続エラーになることがある

まとめ

保存・転送のトラブルは、設定ミスやフォーマットの非対応、接続環境の問題に起因することが多いです。正しいファイル形式、媒体の相性、PCとの接続方法を整理しておくと、スムーズに作業できます。必要に応じて、マニュアルやFAQの確認も効果的です。

■失敗しないオシロスコープ操作術(全7回)


■対象読者:使い始めたばかりの技術者/トラブルが多い初心者

■ 第1回:波形が表示されないときのチェックリスト
■ 第2回:プローブの誤接続で起こる問題と対処法
■ 第3回:トリガーが安定しない原因と解決策
■ 第4回:ノイズだらけの波形を改善する方法
■ 第5回:信号が途中で切れている?帯域幅とメモリの落とし穴
■ 第6回:測定値が信用できないときに見直すポイント
■ 第7回:保存・エクスポート・PC転送トラブルの対処法

 

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